浅草「ODETTER(オデッテ)」の白菜のクリームグラタンが家で味わえる!dancyu編集部長が追い求める日本一ふつうで美味しいレシピ

食の雑誌「dancyu」の編集部長・植野広生さんが求め続ける、ずっと食べ続けたい“日本一ふつうで美味しい”レシピ。

今回植野さんが紹介するのは「白菜のクリームグラタン」。

浅草のビストロ料理とワインの店「オデッテ」を訪れ、南極で料理人をつとめたシェフの、身も心もあたたまる秘伝のレシピを紹介する。

細かいリクエストにも応えてるビストロ

店があるのはつくばエクスプレス、浅草駅から徒歩12分の場所。

この辺りは有名な雷門などがある表側ではなく、浅草寺の裏の方、“観音うら”とも言われている。

周辺には和・洋・中、いろいろな飲食店がそろっている。

岩手県出身のオーナーシェフ、内村光尚さんが一人で切り盛りするビストロ「ODETTER(オデッテ)」。

客のリクエストにもこまかく応えてくれる店。

本日のおすすめパスタや田舎風そば粉のガレットなど、お酒を飲みながらワイワイ楽しめるビストロだ。

オーナーシェフは南極観測隊の料理人

店の中には、いたるところに南極の豆知識が。シェフの内村さんは以前、南極観測隊の料理人だった。

南極について、より知ってもらおうと思い出の品々を飾っている。

南極にある日本の昭和基地に派遣される南極観測隊。

「南極を知ることは地球を知ること」と、地球環境の観測を行っている。隊員は気象や宇宙などの研究者のほか、医師やエンジニアも参加。

内村さんは”料理人”として隊員の食を支えていた。

「365日、1年間。途中の補給がないので、僕のときは35トンくらい持っていきました。1人1トンは食べる計算です」

岩手出身の内村さんは、料理には旬の野菜や銘柄鶏など、厳選した岩手の食材を使っている。

飽きさせない工夫でフレンチ以外の武器を学ぶ

東京の調理師学校を卒業後、フランス料理店に就職した内村さん。

都内のフランス料理店を渡り歩き、30歳を前に料理長を勤めるまでになった。

そして30代半ば、浅草の店で料理長をしていた頃、自身の独立について考える。

内村さんは「この浅草で自分の店を開きたいけど、フレンチの技術だけで戦っていけるのかな?何かプラスになる武器をもたないと」と悩んだという。

その時にふと南極に行った先輩を思い出す。自分も行けるのかなと思い、先輩を頼って南極に行くことに。

そこではフレンチの技術だけではやっていけない。

和・洋・中、苦労しながらも、隊員たちに飽きさせない食事を心掛け様々なジャンルの料理をつくり続けた。

特に思い出に残るイベントは「二万年前の氷山の上で流しそうめん」だと振り返る内村さん。

隊員たちを喜ばせる食のイベントの重要性も学んだ。

南極で言われた「ありがとう」は宝物だと話す。南極に行って料理に対する気持ちを取り戻し、日本に帰ってきた。

そんな内村さんの思いがこもった「オデッテ」。店名の由来は岩手の方言で「おいでください」という意味だそう。

本日のお目当ては、南極でも人気だった、白菜の優しい甘みが広がる、オデッテの「白菜のクリームグラタン」。

一口食べた植野さんは「白菜ならではの甘味がフワっと広がる。芯と葉の部位の違いで食感が違う」と感動する。

オデッテ「白菜のクリームグラタン」のレシピを紹介する。

■材料(1人分)
白菜(内側)…約200g
バター(無塩)…30g
塩…1g
小麦粉(強力粉)…15g
牛乳…130ml
粉チーズ…8g
ピザ用ナチュラルチーズ…30g

■作り方
(1)白菜は芯を落として並べ、半分に切る。
(2)軸の部分は約1cm幅、葉の部分は大きめに手でちぎる。
(3)鍋に弱火でバターを半分ほど溶かしたら、軸を入れ混ぜる。
(4)塩を半量入れ、白菜が半透明になるまで炒める。
(5)葉の部分を入れたら、残りの塩を入れ、しんなりし始めるまで炒める。
(6)小麦粉を入れたら、ごく弱火にする。
(7)白菜にまとわせるように混ぜ合わせる。
(8)牛乳を3回に分けて混ぜる。
(9)少し火を強め、粉チーズを混ぜたら火を止める。
(10)耐熱皿に移し、ナチュラルチーズを全体にかける。
(11)250℃に熱したオーブンで焼き色がつくまで9〜10分間焼く。

■ポイント・コツ
※ひとつ食材が入ったら、ひとつまみの塩を入れることで塩がきちんと入る。
※白菜に小麦粉をまとわせることで、ダマになりにくくなる。

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