カキと言えば「冬の味覚」というイメージを持っている人が多いと思います。実はこれからの時期に旬を迎えるカキがカキの特産地・備前市の日生で作られているんです。いったいどんなカキなんでしょうか?
(砂山祐佳里記者)
「日生の五味の市に来ています。牡蠣のシーズンも終わり、棚には牡蠣は並んでいません…あ、牡蠣ありましたよ!これ、牡蠣ですよね?」
(店の人)
「これは岩ガキです」
(記者)
「シーズンは今なんですか?」
(店の人)
「これからシーズンになります」
箱いっぱいに並んでいるのは特産の「日生かき」…ではなく、今年から生食用として新たに出荷が始まった「岩ガキ」です。備前市日生地区の特産として知られているマガキの旬は冬であるのに対し、岩ガキの旬はなんと夏。これからのシーズンに向けて、養殖場ではたくさんのカキが育てられていました。
「2年ものですかね。もう販売できる大きさです」
なぜ、日生で岩ガキの生産を?
従来、カキの漁師はシーズンを終えると魚を獲るなどして生計を立てていましたが近年、不漁に悩まされるように。そこで新たな収入源になるのではと、岩ガキに目を付けたのです。
(日生町漁業協同組合 田丸和彦組合長)
「牡蠣のシーズンはですね、大体4月の中旬に終わってしまうと。収入がなくなると。岩ガキはマガキが終わったころから旬が始まるので時期的なものもマガキと岩ガキはあっているんじゃないかなと」
他の生産地から情報を収集し、およそ4年前から試験的に生産を開始。そして今年、生食用としての販売にこぎつけました。
(砂山祐佳里記者)
「いただきます。口に入れた瞬間、磯の香りが口の中に広がります」
日生町漁協によりますと、岩ガキは生で食べるのがおすすめだといいます。そのため紫外線で殺菌した海水が絶えず循環する水槽に24時間置くことで、食中毒などのリスクを減らしています。
(日生町漁業協同組合 田丸和彦組合長)
「マガキが日生では有名です。かきおこも有名です。第3番目に、日生に行ったら食べられるおいしいものの3つの中に入っていきたいなと」
生食用として本格的に出荷がスタートした日生の岩ガキ。若手の漁師を中心に、試行錯誤を続け、今後よりおいしい岩ガキを提供したいとしています。