重大犯罪の受刑者などを収容する 『熊本刑務所』と『熊本大学大学院の教授』が “対話” を通して受刑者の更生を支援する共同研究 『リフレクティング』とは?

刑期が10年を超える重大犯罪の受刑者などを収容する熊本刑務所が、受刑者の更生を支援するため、大学の教授と共同研究を始めました。

熊本刑務所と共同研究を始めたのは、対話を通じたセラピーなどを研究する熊本大学大学院の矢原隆行(やはら たかゆき)教授です。

刑務所を巡っては、おととし(2022年)名古屋刑務所で複数の職員による受刑者への暴行が発覚したほか、来年(2025年)6月には刑務作業を義務としない拘禁刑が施行されることもあり、環境改善への取り組みが求められています。

これを受けて熊本刑務所は、去年(2023年)10月から「リフレクティング」という改善指導を取り入れました。

リフレクティングとは、3人以上で会話し他人の話を聞くことに集中することで、受刑者が自分の考えをより理解できるというもので、更生への意欲の高まりなどが期待されています。

熊本大学大学院 矢原隆行 教授
「矯正施設というものに対する社会の信頼が高まるというのが大きな効果」

熊本刑務所によりますと、これまでの簡易的な取り組みでは、「出所後の生活が不安だ」などと話していた多くの受刑者が、参加後に、「スッキリした」という感想を持ったということです。

熊本刑務所 大坪誠 所長
「将来的には世界に向けて発信できるぐらいの取り組みに育てていきたいと考えています」

共同研究は、これから5年間実施される予定です。

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