被爆体験証言者・伝承者 新たに委嘱

自らの被爆体験を語る「証言者」と被爆者から語り継ぐ「伝承者」が委嘱されました。2024年度から委嘱期間は「無期限」となります。

委嘱式で被爆体験を伝えることを託されたのは、証言者と新たに伝承者・家族伝承者となった73人です。

自ら被爆体験を語る「証言者」には2人が加わり、81歳から94歳の32人となりました。平均年齢は86歳を超えています。

■新たに証言者となった 才木幹夫さん(92)

「90も超えてこれはどうしてもやらにゃいかん。ウクライナの問題もありますし少しでも長く続けたいと思っている」

「伝承者」は新たに19人が委嘱を受けました。そのうちのひとり、井上つぐみさんが語り継ぐのは、11歳の時に被爆した川本省三さんの記憶です。「原爆孤児」として戦後を生き抜き、2022年、88歳で亡くなりました。

川本さんが亡くなったため、井上さんの研修は一度打ち切られました。しかし2023年、広島市が制度を改定し研修を再開。伝承者を志して5年、ついに委嘱を受けることができました。

■新たに伝承者となった 井上つぐみさん(24)

「きっと空の上から応援してくださっていると思いますし、これから伝承者としてがんばっていきます任せてくださいということを川本さんにお伝えしたいです」

広島市はこれまで1年だった委嘱期間を「制度が定着した」として2024年度から無期限としました。証言者と伝承者は24日から活動しヒロシマの記憶をつなぎます。

【2024年4月23日 放送】

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