「あなたは詐欺グループと共謀している疑いがある」犯人はビデオ通話で警察の制服のようなものを着用 223万円だまし取られる

郵便局員や警察官を語る男女に騙され、30代の女性が合計223万円をだまし取られる詐欺事件が発生しました。

特殊詐欺の被害に遭ったのは鳥取県鳥取市に住む女性(30代)です。

鳥取県警によりますと今年4月11日、被害女性の携帯電話に県外の郵便局の郵便局員を名乗る女から「あなたから届いた荷物の中に、偽造パスポートとキャッシュカードが入っている。警察に通報する義務があるため通報する。」と電話がありました。

その後、電話のあった郵便局と同じ県の警察の警察官を名乗る男から電話があり、「あなたは詐欺グループと共謀している疑いがある。上海に口座が作られており、口座に1億円入っている。マネーロンダリングの可能性がある。」と伝えられました。そしてLINEアカウントを登録するよう指示されました。

女性が指示されたLINEアカウントを登録すると、警察官を名乗る男からビデオ通話がかかり、警官の制服のようなものを身に着け、警察手帳や逮捕状、捜索差押許可状のような書類を見せてきました。

信じ込んでしまった女性は、翌日、男からの「詐欺グループと共謀していないか調べる必要がある。口座のお金をひとつにまとめて指定する口座に一度預けてほしい。」という指示に従い、鳥取市内の金融機関の窓口に、自身の持つ3つの口座から引き出した現金、合計223万円を持ち込んだということです。

この際、窓口の担当者が送金額が大きいことについて声掛けをしたということですが、警察官を名乗る男に指示されていた「親族間の貸し借りで送金する」という虚偽の理由をそのまま伝えてしまったということです。

その後、犯人の男女からの電話が国際番号からのものであったことや、テレビなどで見ていた詐欺の手口に酷似していることに違和感を感じ、犯人の男が所属していると語った県の警察に問い合わせたことにより、被害が発覚しました。

警察は、
・非通知や「+」で始まる国際電話番号からの着信は詐欺だと疑うこと。
・警察や検察を名乗り「あなたが犯罪に関わっている。」という電話は詐欺であること。
・警察がLINEや電話で捜査情報を伝えたり、逮捕状の画像を送ることはないこと。
・警察や検察が捜査のためにお金の振り込み、送付を求めることはないこと。
など、注意を呼び掛けています。

今年4月23日現在、鳥取県内の特殊詐欺認知件数はあわせて21件。
被害額は1806万円にのぼっています。

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