高浜原発4号起動、関西電力の全7基が同時運転に 11基だった2009年以来の態勢

関西電力高浜原発(左から)3号機、4号機=2022年11月、福井県高浜町(福井新聞社ヘリから撮影)

 関西電力は4月23日午後8時、定期検査中の高浜原発4号機(加圧水型軽水炉、出力87万キロワット)=福井県高浜町=の原子炉を起動した。東京電力福島第1原発事故後、2013年に施行された新規制基準に合格した全7基が初めて同時に運転する態勢となった。

 順調に進めば、26日に発送電を始める。発電機のバランス調整作業を行う場合は遅れる可能性もある。営業運転開始は5月21日を見込む。

 廃炉原発を除く7基同時運転は、高浜1号機が定期検査に入る6月2日までの見通し。関電の全原発が同時に運転するのは、11基体制だった2008年12月~09年2月以来となる。

 全7基の稼働体制となり、発電能力に対する実際の発電量の割合を示す設備利用率は本年度約85%を見込み、11基体制だった03年度以来となる80%台まで上昇する。本年度の発電電力量は490億キロワット時となる見通しで、一般家庭約1570万世帯分の年間使用量に相当する。

 関電は「安全・安定運転の実績を積み重ねるとともに、原子力の重要性や安全性について広く社会に理解を得る活動に全力を尽くしていく」とコメントした。

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