コウノトリ、4年連続でふ化 ひな3羽が頭のぞかす 淡路市、電柱に設置の人工巣塔

ふ化したコウノトリのひな。3羽の頭部が見える(山本喜一さん提供)

 兵庫県淡路市は、市内で繁殖した国特別天然記念物コウノトリのつがいが産卵したひなが、4年連続でふ化したと発表した。市が営巣の定着に向け、昨年設けた人工巣塔での初めての産卵、ふ化となった。

 市が設置する観察用カメラの録画映像で、ひなの頭部とくちばしを確認した。

 人工巣塔は、ひなが3年続けて同じ電柱から巣立ったことを受け、市がこの電柱に設置。昨年11月に完成した。

 つがいは、人工巣塔に長居しない時期もあったが、今年3月ごろから本格的に営巣する姿を確認。同月20日ごろに巣から離れなくなったため産卵が分かった。

 市教育委員会によると、今月22日時点で、住民が撮影した写真から、ひなは3羽と判明したという。市の担当者は「人工巣塔にして間もなく、産卵してくれた。今年の巣立ちを願い、さらに定着につながれば」と話す。(中村有沙)

© 株式会社神戸新聞社