「上質キャンプ」の近道! 二次燃焼「焚き火台」メリット・仕組み・構造「実使用レポ」

外カリッ、中ふわっ焼きマシュマロを焚き火台で(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

キャンプ経験を重ねると、道具にこだわりたくなってくる。周りのキャンパーが使っているものが羨ましくなり、物欲がなくなることはない。

筆者もいろいろなギアを買いなおしているが、その中でもとくにキャンプのQOL(クオリティオブライフ)が上がったと感じたのが、二次燃焼焚き火台だ。いろいろなメーカーから販売されているが、実は仕組みをきちんと理解しておらず、実際に使用して初めてその仕組みを理解できた。

とても効率的でメリットが多い、二次燃焼焚き火台。今回は二次燃焼の構造と、その魅力を紹介したいと思う。

■二次燃焼とは? 仕組みと構造

そもそも、焚き火の仕組みはご存知だろうか。焚き火では、火で熱せられた薪が高温になり可燃性ガスを発生させ、そのガスが空気中の酸素と結びついて燃えるのだ。実は薪が燃えているわけではなく、高温になったことで発生するガスがポイントなのだ。

逆に言えば、熱と酸素がないと薪は燃えない。このとき発生した可燃性ガスに対し酸素が足りないと煙が上がり、いわゆる不完全燃焼状態となる。これを一次燃焼という。この燃え残ったガスに空気(酸素)を送り込んで、再燃焼させるのが二次燃焼だ。

二次燃焼焚き火台は、側面が二層になっており、空気を送り込む構造になっている。 二層の壁を空気が通っている間に熱で温められ、その熱い空気が上部の穴から燃え残ったガスに吹きつけられ二次燃焼が起こる仕組みだ。

■二次燃焼焚き火台の種類

二次燃焼をうたった焚き火台が数多く販売されているが、その形状は大きく円筒型と箱型に分けられる。

円筒型の多くは壁全面が二重構造となっているため、燃焼効率がとても高い。デメリットは、ほとんどが折りたたみできず、持ち運びに場所をとる点。

一方、箱型は折りたたみ式の焚き火台が多く、コンパクトに持ち運べる。ただし、壁4面すべてが二重構造になっているものは少ないため、より二次燃焼の炎を楽しみたいのなら、円筒型がおすすめだ。

■二次燃焼のおかげ! キャンプのクオリティが上がったと感じる3つのポイント

二次燃焼の仕組みと構造を理解し、実際に使ってみて感じたメリットが以下の3つ。

・燃えやすく鎮火しにくい ・薪全体がきれいに燃え尽きる ・煙が少ない

●燃えやすく、鎮火しにくい

燃えやすく、鎮火しにくいため、基本ほったらかしでOK。ほぼ火吹き棒を使わずに済んだほどだ。鎮火しないように焚き火に手間をかける時間が大幅に減ったため、ぼーっと焚き火を眺めながら、ゆっくり食事を楽しめた。手間がかからない分、それぞれキャンプで楽しみたいことに時間を費やせるはずだ。

●薪全体がきれいに燃え尽きる

また、薪全体が燃えきるため、焚き火台の片付けが楽になった。大きな燃え残りがほぼなく、きれいに灰になるので捨てるのも簡単だ。木の端が残ってしまうと細かく砕いたり、最後まで燃やす作業が大変なため、朝の焚き火を躊躇することも多かった。だが、二次燃焼の焚き火台のおかげで、今では心配無用だ。

●煙が少ない

二次燃焼は不完全燃焼の煙が少ない。煙で目がやられることがなく、煙に好かれる筆者は大助かり。焚き火いじりがしたい人には向かないが、筆者のように、焚き火を見ながらゆっくりしたい人には最高の焚き火台だ。

■焚き火の仕組みを理解して、キャンプスタイルに合った焚き火台を見つけて楽しもう

焚き火や二次燃焼の仕組みを理解できると、なぜ二次燃焼の焚き火台がよいと言われるのか、納得するはず。一次燃焼の焚き火台を使う場合でも、火を育てるときに役立つ知識であることは間違いない。ぜひ自分に合った焚き火台を見つけて、それぞれのスタイルに合ったキャンプを楽しんでもらいたい。

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