衆院東京15区補選 NHK党・立花孝志氏が大暴れ中のつばさの党・黒川敦彦氏に逆凸を敢行

NHKから国民を守る党の立花孝志党首(左)とつばさの党の黒川敦彦代表

衆院東京15区補選(28日投開票)で〝禁断の2人〟が激突した。同補選に立候補しているつばさの党の根本良輔氏が他陣営に質問を浴びせて、凸を繰り返している状況に業を煮やしたNHKから国民を守る党の立花孝志党首が23日、つばさの黒川敦彦代表に〝逆凸〟を敢行した。

つばさは昨年3月までNHK党(現みんなでつくる党)の傘下で、代表の黒川氏はNHK党では幹事長として、立花氏を支えていたが、ガーシー(東谷義和)の除名後に両者は衝突。代表権争い騒動でも、黒川氏は大津綾香氏の側近だった因縁がある。

敵対する相手陣営への凸は、立花氏の十八番ともいえる手法だが、今回の補選でつばさ陣営の過激さには他陣営から悲鳴が上がる事態となっている。

同補選にNHK党は弁護士の福永活也氏を擁立しているものの、これまで目立った選挙戦は行っていなかったが、立花氏の〝製造者責任〟が問われたことでこの日「つばさの党と闘います!」とX(旧ツイッター)で公開討論会の実施を表明。日時は3日後を指定したが、「やっぱりすぐにやったほうがいい」と突如、行動に出た。

つばさ陣営が東陽町駅前で立憲民主党の酒井菜摘氏の街頭演説会に凸しているところを立花氏が押し掛け、因縁の両者が約1年ぶりに交わった。

立花氏は「つばさの党が『質問に答えろ』と言っているので、質問しに来ました」と黒川氏との訴訟案件を取り上げたのに対し、黒川氏は立花氏が党へ貸し付けた8000万円やガーシーなどに支払ったとされる3億5000万円のカネの流れについての逆質問となった。

黒川氏は訴訟の件には「和解の提案になりそうな話を弁護士から聞いているので、こちらも取り下げるべきものがあれば取り下げるし、謝るべきところは謝るという対応をさせていただく」と説明。ガーシーへの支払いは黒川氏も党幹事長として、決済状況を知っていただけに立花氏から「説明してくれよ」と振られ、「ほとんどタッチー(立花氏)がやっていたから、俺はよくわからない」と回答した。

ケンカ別れしたとはいえ、約2年間、党運営や選挙で共闘してきた両者とあって、最後に立花氏は「黒川君がやっていることは的を射た質問もしている。『質問に答えろ』というのはその通りで、選挙の自由が保証されている」と選挙手法の一部を認める場面もあった。

黒川氏も「タッチーも言ってることメチャクチャだから、こんなバトルになって、オレらともめて、いろいろ問題になった。ケンカというのは両成敗だから。そんなにタッチーのこと嫌いじゃないから。タッチーありがとう。オレらそんな恨んでないから」とピリピリから一転、最後は笑いも漏れる和やかムードで、討論会は終了した。

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