【衆院島根1区補選】候補者に聞く「政治とカネ・政治改革」「人口減少対策」「エネルギー政策」

衆議院島根1区補欠選挙は、28日の投開票に向けて激しい選挙戦が続いています。2人の候補は23日、ともに隠岐を訪れ有権者に支持を訴えています。
今回は2人の候補がどのような訴えをしているのか、改めてみていきます。

細田前衆院議長の死去に伴って行われる島根1区補欠選挙。今回行われている全国3つの補欠選挙のうち、島根1区は唯一、与野党一騎打ちの構図。選挙の結果によっては、今後の岸田首相の政権運営や解散戦略にも影響を与えかねない注目の選挙です。
立候補しているのは、届け出順に、自民党の新人・錦織功政さん55歳。立憲民主党の元職・亀井亜紀子さん58歳の2人です。
今回の選挙で最大の争点となっている「政治とカネの問題」、地方にとって待ったなしの課題「人口減少対策」、そして今後の「エネルギー政策」の3点について、両候補に聞きました。

「政治とカネの問題、政治改革」

自民党 新人 錦織功政候補
「政治資金規正法の改正法案を含めて、しっかりとした法改正が審議され可決されるべきだと思っています。一つには連座制はしっかり導入すべきだと思っています。法律に則っているから政治資金は何に使っても良いというわけではないと思っています。実際にどういう使い方をするべきか、党内において恒常的に議論する場を私は作って、その中でもしっかりと議論をしていきたいと考えています」

錦織さんは、「政治資金規正法」を改正して連座制を導入し、処罰を厳格化する必要があると主張しています。

立憲民主党 元職 亀井亜紀子候補
「派閥パーティーを開いて企業にパーティー券を買っていただく、それが実質的な企業献金になっている。政治資金規正法に抜け穴がありまして、政策活動費として受け取ると政治資金収支報告に載せなくて良いですとかね。そういうおかしな抜け道がありましたからそこはふさぐ必要があります」

亀井さんは、「政治資金規正法」改正に加え、企業・団体献金の禁止なども必要だと訴えます。

続いて人口減少対策、島根県だけでなく、地方にとって待ったなしの課題です。

「人口減少対策」

自民党 新人 錦織功政候補
「道路や空港といったハード施策を、事業量をしっかりと確保して、みんなが安心して暮らせる街作りをすることは当然のことです。だけどもそれだけでは足りなくて、今後この地域の中に眠っている宝物がいろいろあると思うんです。それは例えば美しい景観であったり、皆さんが大体引き継いでこられた伝統文化であったり、こういうものに磨きをかけて対外発信することによって、この地域に魅力を感じた方々がどんどん入ってきていただく、そういったものを自分たちで見つけていく。
その作業をお手伝いするのが行政なり、国の仕事かなと思っております」

錦織さんは、地域の資源を生かし、人を呼び込む取り組みを支援する制度が必要だと主張します。

国民民主党 元職 亀井亜紀子候補
「非正規と正規の所得の格差を解消しないと、最終的にはこれ少子化は止まらないと思ってます。空き家がたくさんありますし、住居が提供できるということ。つまりその若者が都会で住宅ローンを背負わなくても、例えば行政が空き家を買い取って改修して、何年以上住んだら、いいですよとあげますよというような大胆な政策ですとか、一次産業が必要。一方亀井さんは、労働格差の是正や空き家を活用した定住策など、人口減少の歯止め策を掲げました」

島根原発2号機の今年8月の再稼働に向け、中国電力が準備を進めるなか、原発地元の候補としての考え、そして今後のエネルギー政策については…。

「エネルギー政策」

自民党 新人 錦織功政候補
「エネルギー自給率の向上とカーボンニュートラルの実現のためには、当面原子力の活用は必要だと思っています。ただその大前提として、原発の安全性がしっかりと確保されるよう、政策が徹底される必要があると思っています。私は復興庁でも勤務した経験があり、福島第1原発のこの事故による大きな影響というのを十分理解しています。そうしたことが決して起こらないように、しっかりと国としても監視していく必要があると思っています」

島根原発2号機の再稼働について錦織さんは、安全性の確保を前提に賛成する考えを示しています。

立憲民主党 元職 亀井亜紀子候補
「人災というよりは、地震がきっかけとなって、それで発電所に損傷が起きる。それから津波が来るということなので、やはり地震、津波、原子力災害という複合災害について想定したきちんとした避難計画が必要だと思います。まずどこに逃げるか、そういう意味で地域にシェルターを作ることも大事だと思いますし、一斉に逃げられるわけではないので、一時的に退避する場所は少なくとも作るべきだと思います」

亀井さんは、再稼働について立場を明らかにしていませんが、避難計画など実効性のある災害への備えが必要だと訴えます。

選挙戦はいよいよ終盤、両陣営の舌戦はますます熱を帯びています。衆議院島根1区補欠選挙の投開票は4月28日です。

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