青森県の男性死亡率、全国ワースト50に21市町村 全40市町村、男女とも全国平均超え

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 2018~22年の5年間の全国の市区町村別死亡率(標準化死亡比)で、1887市区町村のワースト50に、青森県から男性で21市町村、女性で11市町村が入った。県内40市町村の男女全てで全国平均の100を超え、短命県ぶりが際立っている。関係自治体は、結果が好転するには時間が必要-とし、長期にわたって粘り強く取り組む考えを示している。

 厚生労働省が19日に発表した人口動態統計特殊報告で判明した。県内全市町村が全国平均を上回ったのは5年前の前回調査に続き2回連続。

 県内で男性の死亡比が最も高かったのはむつ市で127.6。全国ワースト9位だった。県内で最も低かったのは六戸町の111.3。県平均は118.5。

 女性は大鰐町の125.3が最高で全国ワースト6位だった。県内最低は三沢市の102.2。県平均は112.9。

 青森県でワースト50に入ったのは男性が県内21位の藤崎町(120.0)まで、女性が県内11位の青森市(116.6)まで。青森市は男女とも110を超え、全国の都道府県庁所在地で最高水準となった。

 青森県を除く東北以北の6道県で全国ワースト50に入った市町村の数は、北海道が「男性3・女性3」、秋田県が「男性3・女性2」、岩手、山形、福島の3県がそれぞれ「女性2」で、いずれも男女合計が1桁にとどまっている。

 これらの地域と経済的・気候的に大差がないにもかかわらず、ワースト50に青森県から多く入ったことについて、県健康医療福祉部の守川義信部長は「喫煙率や肥満率の高さなどいろいろな理由がある」と語る。

 県も、がんの精密検査の費用補助を本年度から全国で初めて始めるなど、健康増進に向けたさまざまな施策を進めてきた。守川部長は「世代を重ねて過ごした中の死亡率なので1、2年頑張って下がるものではない。生まれてから高齢になるまで全ての取り組みが死亡率に結びつく。あらゆる面で県民に寄り添い、県民の健康を守る施策を粘り強く進めたい」と話した。

▼むつ「長期戦」大鰐「検診を」/県内男女ワースト

 男性の死亡率が県内で最も高かったむつ市。健康づくり推進課の辻郁子課長は「健康づくりはすぐには結果に結びつくものではないので、長期戦で取り組まなければいけないと受け止めている」と話した。

 これまでも若い世代を対象とした健康づくり事業や、市民の健康寿命延伸に向けた市役所内の組織設置などに取り組んできた。「今後もさまざまな事業を通じて全年齢に働きかけていきたい」と決意を語った。

 女性の死亡率が県内最高だった大鰐町は、近年がんで亡くなる若い女性が多かったという。町保健福祉課の佐藤由実子副参事は「男女問わずがん検診に力を入れていく。ウイルス性肝炎の検査を受けたことがない町民もいるため、検査を強く勧めていく」と説明する。

 「普段から自分の健康に関心を持つことが大事。イベントなどで血管年齢や骨密度などを測定する町の『出張健康鑑定団』もより活用していきたい」と話した。

標準化死亡比 全国平均を100として各地域の死亡率の度合いを示す指標。年代の偏りなどの影響を除いて計算するため、市区町村の健康増進の取り組みの成果を他の市町村と比べて把握するのに使われる。100より数字が大きいほど死亡率が高い。

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