企業と個人のマッチングサイト運営のランサーズ、黒字化定着 かつ注目に値する新たな展開開始

ランサーズ(東証グロース)。仕事を外注したい企業と受注したい個人の、マッチングプラットフォーム「ランサーズ」を展開している。

前期までの2期間は「営業損失、最終赤字」に沈んだ。が今2024年3月期は「0.1%増収(48億1200万円)、営業利益4000万円、最終利益3800万円」計画。現に第3四半期末で売上高は計画比70%達成、「営業利益4000万円、最終利益700万円」となった。詳細は後述するが最終利益も特利計上で実現見通し。四季報も【黒字定着】とし来期の営業利益を1億円と独自予想している。

働き方改革という時流の中で、フリーランス人口も増加基調にある。ランサーズの「新・フリーランス実態調査2021-2022年版」でも、「フリーランス人口は年々増加、労働人口のおよそ2割をしめる」としている。

そんなランサーズから『フリーランスから正社員への、転職を支援する「フリーランス転職」提供開始』と題するリリースが送付されてきた。

キッカケを「収入拡大のため、時間や場所にとらわれない働き方をするためというトレンドの中でフリーランス自体は増加傾向を続けている」としながらも、「今回新たに1300人以上の市場調査を実施したところ結婚・育児・介護などライフステージの変化に伴い“正社員への転職を希望・検討している”というフリーランサーが合わせて3割以上に上ることが分かった」としている。また「企業側が正社員を希望する案件も約1割になっている」ともしている。

ではランサーズは、そうしたニーズに応えうるのか。ランサーズでは、こう答えている。 *<フリーランス支援のプロによるアドバイス・サポート>: 専属のキャリアアドバイザーが、これまで培ってきた経験・実績を活かした内容の書類添削・面接対応を行う。

*<ランサーズグループ内での実績活用>: ランサーズグループ内で実績があれば、スキルやクライアントからの評価を活かした推薦が可能。

*<内定獲得・採用支援実績>: 生じた正社員採用支援で、フリーランス時の収入と同水準で企業側から内定通知を受けた率は4月時点で88%。

ランサーズが並行して行う第2ステージの動向は見守りたい。が先に「今期、特利計上とした」がその理由は、頷けるような気もするが「?」部分も残る・・・

ランサーズを利用する面々は成約時に利用証を支払う。がキャンセルとなった場合、ランサーズの預かり金となる。連絡は取るが長期間に及ぶ場合や連絡不能となるケースも少なくない。将来的に返還が見込まれない金額のうち、民法で「営業債務消滅益」となった分は特利計上される。それが今期は3500万円だというのだ。

本稿作成中の時価は200円台半ば。年初の236円から2月の337円まで買われた後の調整場面。とにかくは黒字定着の状況を見守るべきか・・・

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