「安全対策を行わなかった理由は?」元理事長の姿勢に疑問を投げかけ 園児バス置き去り死事件 遺族が初公判で質問【記者解説】=静岡・牧之原市

2022年9月、静岡県牧之原市で3歳の河本千奈ちゃんが通園バスに置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった事件。4月23日、静岡地方裁判所で開かれた初公判では、千奈ちゃんの父親が被害者参加制度を使って法廷に立ち、元理事長に質問しました。

<滝澤悠希アナウンサー>
被告人質問で千奈ちゃんの父親は、元理事長に何を質問しましたか。

<中西結香記者>
千奈ちゃんの父親は、冷静な口調で最初に「千奈がバスの中で1人で亡くなっていった気持ちがわかりますか」と質問をし、元理事長は、うつむき加減で「はい。苦しい思いをしていたんだなと思います」と小さな声で答えました。

また、福岡県でも今回の事件の前の年に園児が送迎バスに置き去りにされ死亡する事件があったことを示して「福岡で同様の事件があったのに、自分の園で安全対策が行わなかった理由を教えてください」と質問。元理事長は少し沈黙があった後、「いずれやればいいと思っていました」と答えました。

千奈ちゃんの父親は、5月上旬、取材に応じ「自分たちが望む判決になるのが難しいことはわかっているが、実刑判決にしてほしい」と話していました。

<滝澤悠希アナウンサー>
千奈ちゃんが亡くなった日からもうすぐ1年8か月。幼い女の子の命を守れなかった責任は、どこにあったのか。今後、司法の場で明らかにされます。

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