“頂き女子りりちゃん”とホスト 本当の「悪」とは… 綴られた手記から見えたホスト巡る課題

恋愛感情を悪用して複数の男性から総額1億5千万円以上の現金をだまし取ったなどの罪に問われた「頂き女子りりちゃん」は4月22日、懲役9年・罰金800万円の判決を言い渡された。

“りりちゃん”が貢いでいたホストの男の裁判は続いている。独占入手した拘置所からの手記から、ホストをめぐる社会の課題が見えてきた。

<田中被告(YouTubeより)>
本当にね、お金って持ってみたら分かるけどね、紙切れだよこれ。これでね、本当に欲しいものって手に入らないよね

札束を見せびらかすような動画を投稿していた男は、東京・歌舞伎町の元ホスト「狼谷歩」こと、田中裕志被告(26)だ。

田中被告のホスト時代の客だったのが、「頂き女子りりちゃん」を名乗り、男性3人から1億5000万円余りをだまし取った罪などに問われた渡邊真衣被告(25)だ。

田中被告は、渡邊被告が詐欺で得た金と知りながら現金約3850万円を店で支払わせた組織犯罪処罰法違反の罪などに問われていて、4月23日の裁判で起訴内容を認めた。

東海テレビは、渡邊被告が拘置所で書き続けた87枚の手記を独占入手した。手記には、金を貢ぎ続ける「りりちゃん」とホスト「狼谷歩」の関係が綴られていた。

<渡邊被告の手記より>
あゆむくんは、今まで出会ったホストと違って、ホスト以外の未来の目標をもっていました。体とかお金以外で役に立てるようなことが実現できたらなと、いつも思っていたから、あゆむくんのためだったら、なんでもしてあげたいと思うようになってた

小中学生の頃に父親から虐待を受けるなど、家庭や学校に居場所がなかったという渡邊被告。

その後、歌舞伎町で出会ったホストに、自分の存在意義を見出すようになった。

<渡邊被告の手記より>
がんばらなきゃ、少しでも使う額が減ったら、がっかりされてしまう。毎月1000万円をあゆむくんにもっていかなかったらだめだという、強迫観念にとらわれるようになった

風俗店で稼いだ金のほぼ全てを田中被告に貢いでいたという渡邊被告。精神薬などを過剰に摂取するオーバードーズをくり返すようになった。

<渡邊被告の手記より>
歩いていてもフラフラで、階段をうまくおりれなくて落っこちて、顔面を打って前歯4本折れた。あゆむくんはそれを笑っていた。あゆむくんにさよならされて、自分の人生おわるのがイヤだった。この世界の全てがあゆむくんで、あゆむくんが正しいと思い込んでた。「俺みたいなやつ、見つかるわけないしいないよ」と一言いわれると、その通りだとあゆむくんの元にずっとひっついていた

渡邊被告は4月22日、懲役9年・罰金800万円の判決を受けた。

裁判で渡邊被告の弁護士は、詐欺行為について「ホストに貢ぐように頼まれ助長された、被害者的側面がある」と主張していたが、判決で裁判長は…。

<名古屋地裁の大村陽一裁判長>
ホストの売上に貢献するための資金を得たいという動機は、身勝手で酌むべき余地はない

ホストが与えた影響について、判決に考慮されることはなかった。

判決前に渡邊被告が書き続けた手記には、ホスト業界の問題や、自らの責任について記されていた。

<渡邊被告の手記より>
私は自らホス狂いという「甘え」の道の人生選択をし、自分を破滅に追い込みました。今、ホスト業界は「悪」というイメージが強いけど、自らその「悪」に染まっていく女の子達も多いと思います。ホストクラブのシステムが変わっていってほしい。ですが、そう簡単にそれが叶わないこともわかっています。結局は、この世界で強く生きて、自分が自分で人生の選択をしていかなきゃいけない

(東海テレビ)

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