DeNAの左打者封じた阪神・村上の快投 「何を狙えばいいか分からなかったのでは」 評論家の目

 7回、牧を中飛に打ち取り雄叫びをあげる村上(撮影・堀内翔)

 「DeNA1-1阪神」(23日、横浜スタジアム)

 阪神は投手陣が終盤のピンチをしのぎ切り、延長十二回で引き分けた。先発した村上頌樹投手(25)は二回に先制を許しながらも、その後は立て直して8回を3安打1失点の好投。巨人、オリックスで活躍した谷佳知氏がデイリースポーツの解説を務め、「『何を狙えばいいのか分からない』というぐらい、左バッターを完璧に封じていた」とその投球を絶賛した。

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 村上には左バッターの内角にカット気味に入ってくる真っすぐという大きな武器がある。

 谷氏は「左バッターがあの内角の真っすぐをバットの芯で捉えようとすると、いい当たりのファウルになってしまう。甘く入ってこない限り、フェアゾーンに打ち返すのは至難の業だ。それぐらいのキレがある」と評し、「この試合で左バッターは無安打。あの球を捨てるのも一つの手ではあるが、ポンポンと初球からストライク先行で投げ込んでくるから手を出さざるを得ない」と攻略の難しさを指摘した。

 さらに「内角の真っすぐだけを意識していたら、外にもきっちりと投げ分けてくるし、さらにカットボール、フォーク、ツーシームもある」と多彩な球種、絶妙な配球に触れつつ、「DeNAの左バッターは打席の中で、『何を狙えばいいのか分からない』という心理になっていたのではないか」と称賛した。

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