ソフトバンク有原航平が燃えたロッテ佐々木朗希の「えぐい球」と首脳陣の信頼 107球で今季初の完投勝利 昨季は投手4冠の山本由伸に4戦3勝

8回1死一塁、ロッテ・中村奨(右)を遊ゴロ併殺に仕留めほえる有原(撮影・冨永豊)

◆ロッテ2―4ソフトバンク(23日、ZOZOマリン)

ソフトバンクの有原航平投手(31)が今季初の完投勝利を飾った。107球を投げ、3安打2失点。ロッテ佐々木とのエース対決を制し、3月29日の開幕戦以来の2勝目を挙げた。

3回までともに無安打と高次元の投手戦が繰り広げられた。有原も佐々木の投球を目の当たりにし、ロースコアの展開を想定。「めちゃくちゃえぐい球を投げていたので。でも(4回に)先制点を取ってくれて、(7、8回に)追加点も取ってくれた。比較的、楽に投げることができました」と振り返った。

相手エースと対峙(たいじ)したときの強さは、日本球界復帰1年目の昨季も存分に発揮した。オリックスの山本由伸(現ドジャース)と投げ合いは4戦3勝で、ハイライトは7月25日の対決(京セラドーム大阪)。6安打、11奪三振の完封勝利を挙げ、チームの連敗を「12」で止めた。息詰まる投手戦でも乱れることはない。

この日も佐々木の「えぐい球」に対して、有原は冷静に凡打の山を築いた。「僕のやることは変わらない。2本は(ソロ本塁打を)打たれましたけど、相手のバッターにしっかり向かっていった結果が、今日の試合になったと思う」

8回を終えて92球。ベンチに戻ると、倉野投手コーチから声をかけられた。「倉野さんに『球数関係なく任せた』と言ってもらえた。やってやるぞという気持ちになりました」とさらにモチベーションは高まった。9回2死一塁。前の打席で一発を浴びたポランコを空振り三振に仕留め、試合を終わらせた。開幕投手を務めたあとは、連戦の始まる火曜日を任されている。

「もちろん(佐々木は)いいピッチャーというのもありますし、僕自身、火曜日のいいところで投げさせてもらっている。(自身)2連敗でチームに流れを持ってこられなかったので、そういう意味では今日勝てたのはいい1勝になった」。チームと有原にとって、大きな白星が刻まれた。(小畑大悟)

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