ポケモン映画に参加した日本画家、初の長編アニメ監督作品『A NEW DAWN』2025年公開

日本画家/アニメーション作家として活動する四宮義俊監督による、初の劇場長編アニメーション映画『A NEW DAWN(邦題未定)』が、2025年に公開される。

四宮義俊監督は、日本画家としての活動を軸にしながら、新海誠監督や片渕須直監督などのアニメーション作品に参加。ジャンルを超えて様々な活動を展開してきた。

公開情報と共に、制作会社をはじめとしたメインスタッフも解禁。新海誠監督作品やハチ(米津玄師)さんのMVなどに参加したクリエイター陣が、『A NEW DAWN』の制作に協力する。

新海誠作品やポケモン映画にも参加してきた四宮義俊

四宮義俊監督は、1980年生まれの日本画家/アニメーション作家。絵画を軸に、実写映画やアニメーション映画では美術や特殊シーンの演出を担当している。

これまでに、新海誠監督『君の名は。』の回想シーンや『言の葉の庭』のポスターアート、片渕須直監督『この世界の片隅に』の水彩画、「劇場版ポケットモンスター」シリーズのスペシャルアートなどを担当。

ほかにも、渋谷スクランブル交差点での四面連動ビジョン放映で話題を呼んだ「トキノ交差」や、歌手・眉村ちあきさんの曲「冒険隊~森の勇者~」のMVで監督を務めてきた。

本の装丁、広告、CMなどに携わる一方で、日本画家として培った素材研究をベースに異質なマテリアル同士やジャンル同士を媒介・融合させながら作品を制作し続けている。

『A NEW DAWN』は仏アニメスタジオとの共同製作

『A NEW DAWN』は、四宮義俊監督が、自身のオリジナル脚本で描く初の長編アニメーション作品。

土地立ち退きの強制執行が迫る創業330年の花火工場・帯刀煙火店を舞台に、そこで育った3人の若者たちと、幻の花火「シュハリ」を巡る2日間の物語が描かれる。

製作は、フランスのアニメスタジオ・Miyu Productionsとアスミック・エースによる日仏共同製作。

Miyu Productionsは、山下敦弘さんと久野遥子さんが共同監督をつとめたアニメ映画『化け猫あんずちゃん』や、アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル賞受賞作『リンダはチキンがたべたい!』などで脚光を浴びるスタジオだ。

映画『君の名は』などのクリエイター陣がメインスタッフに

アニメーション制作を担うのは、宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』にも参加した高坂希太郎監督らを擁するスタジオアウトリガー

キャラクターデザインは、米津玄師さんが「ハチ」名義で発表した「砂の惑星 / feat.初音ミク」などのMVを制作してたうつしたさん(南方研究所)が担当。最近では、TVアニメ『天国大魔境』でも注目を集めた。

さらに、美術には『君の名は。』『詩季織々』などを手がけた馬島亮子さん、音楽に『5 windows』や『マンガをはみだした男~赤塚不二夫』など国内外でのパフォーマンス・展覧会が注目される蓮沼執太さんと、強力なメインスタッフが集結した。

なお、『A NEW DAWN』は、5月にフランス・カンヌで開催される世界最大の映画見本市「マルシェ・ドゥ・フィルム」の、アニメーションに特化したキュレーションプログラム「『Animation Day』アヌシー・アニメーションショーケース」に選出。

第77回カンヌ国際映画祭に合わせて開催される同プログラムには、四宮義俊監督が登壇。現地時間5月19日に、『A NEW DAWN』のメイキング映像の上映とプレゼンテーションを行う。

『A NEW DAWN』四宮義俊監督コメント

この映画は僕の一本目の長編映画です。
企画を作り始めたのは2016年でした。月日が経つうちに、自分を取り巻く環境や景色も変わり、家族もできました。
ある日、雑木林の隙間からあるはずのない『海』を子供が見つけ僕に問いかけました。凝視すれば何のことはないソーラーパネルの羅列でした。ネガティブに感じられ変わっていく日本の風景にいっとき新しい解釈を与えた次の世代の感性は僕にとってとても意味のあるものに感じられました。
そしてその瞬間、この物語は駆動し始めました。当時はごく一部の事象を描いたものでしたが、時を経るごとに物語がリアリティを帯びていった様に思います。
企画が始まってから8年目の今日みなさんに情報をお届けできることにちょっとした奇跡も感じています。
完成まではまだまだ長い道のりですが、作りながら、また少しずつ皆さんに知っていってもらえると嬉しいです。

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