大宮高校 齋藤瑛太#1「サッカーに集中すると、勉強にも神経を注げる」【文蹴両道】

齋藤瑛太

 国際物理オリンピック世界大会、日本数学オリンピック全国大会、科学の甲子園全国大会など、知的能力を競う数々の大会に出場。県内屈指の進学校、埼玉県立大宮高校は専門分野に高い能力を発揮する生徒が大勢いる。

 3年間を見据えた授業は基礎から応用まで身に付き、文系・理系を問わず幅広い進路希望を選択できる。

 普通科に在籍し、サッカー部キャプテンを務める齋藤瑛太(3年)に勉学と部活動の学校生活について尋ねた。

――数ある進学校の中から、どうして大宮高校を志望したのですか?

 埼玉県の公立校の中ではトップレベルにありますし、高い水準で同級生と切磋琢磨できるので大学受験にも大きなプラスになると思ったからです。入学説明会に行った時も、先輩たちがしっかりしていて、こういう環境の中で3年間過ごせたらいいなと感じました。学校全体が温かい雰囲気なんです。

――中学の時から大宮高校が第一志望だったのですか?

 はい、大宮高校に入りたいので勉強は一生懸命やりました。

――高校進学後もサッカーを続けるつもりだったのですか?

 サッカーは小学生からずっと続けてきたので、高校でも楽しくやりたいと思っていました。

――部活動に励んでいる進学校の生徒さんは、勉強時間の確保に苦労が絶えないと思いますが、どんな工夫をしているのですか?

 例えば電車で移動している時とか、何かの待ち時間ですとか、ちょっとした隙間時間を利用することはとても有効です。単語帳なら手軽に使えますし、いつでもどこでも活用できます。自分もサッカー部に入ると勉強時間が足りなくなるんだろうなって思っていたのですが、大事なのはメリハリをつけることです。部活動を一生懸命頑張っているからこそ、サッカーが終われば気持ちを勉強に切り替えられます。部活動がないからといって、過去にはだらけてしまったこともあります。サッカーに集中すると、勉強にも神経を注げることを経験しました。

――ウイークデーの標準的な1日の過ごし方を教えて下さい。

 午前6時半に床を出て8時15分に学校に到着してから、ホームルームが始まるまで20分くらい単語帳などで勉強します。たまに昼休みにもやりますね。午後4時からサッカー部の練習がスタートし、終わるのが6時半くらいで7時には学校を出て、8時頃家に着きます。お風呂と夕食を済ませたら9時から2時間ほど机に向かい、だいたい11時に就寝。平均するとおおよそこんなスケジュールになります。

 【齋藤さんの平均的な1日のスケジュール】06:30 起床08:15~08:35 予習08:45~15:30 授業16:00~18:30 部活動20:00 入浴、夕食21:00~23:00 勉強23:00 就寝

――――勉強で重点を置いているのはどんなことでしょうか?

 やはり予習がメインになります。授業をしっかりマスターするためにも予習には力を入れています。ただ自分は復習をしないと忘れてしまうことが多いので、できるだけ授業の中でしっかり身に付けるようにしているんです。

――得意な科目と苦手な科目は何でしょうか?

 安定して点が取れているのは英語です。苦手な科目ですか? う~ん、全体的に安定しているので、これがものすごく良いとか、これが悪いという科目はありませんかね。

――塾には通っていますか?

 部活動をやっている人は基本的に行けないと思います。

――大宮高校は現役での大学合格率に定評がありますが、そのためにサッカー部を辞めようと思ったことはありますか?

 1度もないです。最大の理由は仲間とサッカーをしている時間がとても楽しいからです。部活動がない期間に勉強までだらけてしまったことがあり、それならメリハリを付けて両方頑張ったほうがずっといいと感じたんです。

――将来の夢は何でしょうか?

 まだ具体的には決まっていないので、大学に進んでから決めたいと考えています。大学は商学部か経済学部に進みたいですね。

――どんなところにサッカーの楽しさを見いだしているのですか?

 一番は自由というか、こうしなければならないというものが決まっていないので、勝つためや良い試合をするために自分で考え、アイデアを出してできることです。頭を使う分、達成感があります。           

(文・写真=河野正)

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