西海の活気味わって 港の回転すし26日再開 富来漁港

再開準備が進む回転ずし店=志賀町の富来漁港

 地震による津波の被害があり休業していた富来漁港(志賀町)内にある回転すし店「西海丸」が26日に営業を再開する。港の復旧作業が続く中、関係者は「鮮度抜群のネタで富来を元気づける」と意気込んでいる。

 2017年にオープンした西海丸は定置網漁を行う「西海丸定置」が運営する。漁港内の回転すしは全国的にも珍しく、目の前で水揚げされた自慢のネタを売りに人気を集めてきた。

 今年は1月2日から営業予定だったが、津波に襲われ建物が損傷。すしを作る自動ロボットも水槽も駄目になった。港は海底が隆起したほか倉庫や荷さばき場が損壊。漁船の被害は少なく、1カ月後にはほぼ通常どおりの操業ができるようになったが、港の復旧を優先し店舗は休んだままだった。

 最近は地元住民のほか、志賀町に派遣された応援職員からも「富来の魚を食べたい」といった電話が来るようになったという。水揚げは好調で、県漁協西海支所が港内養殖している人気ネタの一つ「西海サーモン」も出荷できるまで回復したことから、昼のみの営業を再開する。

 今はタイ、サワラ、甘エビなどがよく水揚げされており、小林稔社長は「存分に味わってほしい」と呼び掛けた。港内は海底の係留用チェーンを張り直したり岩壁を補修したり、先の長い復旧作業が続く。西海支所の高岩権治顧問は「魚を食べてもらうことで富来が活気づけばいい」と話した。

復旧作業が続く富来漁港。漁船係留用のチェーンを海底に張り直す

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