「輪島塗」「珠洲焼」九谷茶碗まつり出店 13業者・団体、被災免れた品を展示

多くの来場者でにぎわう会場=昨年5月、能美市寺井町の和田山会場

 5月3~5日に能美市内で開かれる九谷茶碗まつり(北國新聞社後援)で初めて設けられる復興応援ブースに、輪島塗や珠洲焼の13業者・団体が出店することが23日決まった。被災した店舗などで破損を免れた漆器や焼物を展示販売。北陸新幹線県内全線開業で来訪者が増加傾向にある九谷の里で、奥能登の伝統工芸の魅力を売り込み、早期の再生を後押しする。

 地震で大打撃を受けた輪島塗と珠洲焼の業界は、制作現場や担い手の確保で苦境が続いている。まつりの運営委員会のメンバーから、奥能登の伝統工芸の事業再建を支援したいとの声が上がり、今回で115回目の歴史を刻む南加賀の一大イベントを通じて販売促進につなげてもらうことにした。

 「頑張ろういしかわの伝統工芸」をテーマに、輪島塗の業者10店、郷土の産品を扱う輪島の物販業者2店、珠洲焼作家による復興会が根上総合文化会館に計14ブースを構える。まつりの運営委員会が出店料を全額負担し、関係者の宿泊費も一部支援する。

 茶碗まつりは能美ふるさとミュージアム隣の和田山、九谷陶芸村を含む3会場で開かれ、昨年は3日間で県内外から8万8千人が訪れた。

 九谷焼関係では3会場で実店舗を含む50店が掘り出し物や名品を並べる。市商工課の担当者は「いずれもが石川の貴重な観光資源であり、オール石川で産地を盛り上げ、ファン獲得につなげたい」と話した。

輪島塗
珠洲焼

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