金沢・片町に高級ホテル計画 香林坊―きらら間の再開発ビル

高級ホテルが入る複合ビルの建設予定地=金沢市片町2丁目

  ●地上12階、マンション棟も 1~2階は商業施設

 金沢市片町2丁目(香林坊交差点―片町きらら間)で計画されている再開発ビルに、高級ホテルが整備される見通しとなった。マンションや商業施設も入る予定で、地権者でつくる準備組合は2027年の着工を目指して準備を進める。再開発ビルを巡っては、資材高騰を受けてホテルを外すことが検討されていたが、北陸新幹線の延伸効果や訪日外国人客の増加を見込み、当初の計画よりグレードの高いホテルとすることでまとまった。

  ●訪日客増見込み

 準備組合によると、再開発の対象エリアは約2300平方メートルで、ビルは地上12階建て。ホテルは香林坊側の3~11階、マンションは片町側の3~12階に整備され、いずれも下層の1~2階を商業施設とする。ホテルとマンションの間には立体駐車場を設ける。

 同所の再開発では2019年、野村不動産(東京)が事業協力者に決まり、ホテル、マンション、商業施設の複合ビル計画が浮上した。ただ、22年に資材価格高騰の影響で総事業費が想定より20億円膨らむ見通しとなったことから、準備組合は計画の見直しを決定。ホテル部分は取りやめるか縮小する方向で議論を進めていた。

 地権者の間では「まちなかの商業地にふさわしい施設にすべきだ」としてホテルを望む声が根強かったが、費用面がネックとなって協議は難航。そうした中、準備組合によると、野村不動産が高級志向のホテルを整備することを条件に、再開発ビルの一部フロアの買い取り価格引き上げに応じたため、必要な資金を賄える見通しとなった。

 準備組合は、3月の臨時総会で新たな計画を提示し、地権者の了承を得た。現在は、都市計画決定を目指して金沢市と協議を進めており、決定後、建物の基本設計や事業計画の策定作業に移る。

 組合の羽岡(はおか)巌理事長(66)は北國新聞社の取材に「ようやく方向性が定まった。いち早く計画を実現させ、まちなかの活性化につなげたい」と話した。

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