まるで往年の中田英寿。松木玖生が韓国戦で見せつけた“鬼フィジカル”【U-23アジア杯/コラム】

2024年4月22日(現地時間)、U-23アジアカップのグループステージ最終戦に臨んだ日本は韓国に0-1と敗れた。5-4-1システムで守りつつ、カウンターを狙う相手の戦略に手を焼き、セットプレーから痛恨の失点を喫した日本だが、何もかも悪かったわけではない。

存在感を示した選手のひとりが、途中出場の松木玖生だ。63分から4-3-3システムのインサイドハーフを任されると、強気なプレーでチャンスを演出。なかでも印象深かったのが70分過ぎの“鬼フィジカル”だ。

自陣側のセンターサークル付近で味方から横パスをもらった松木は、後ろ向きの体勢でプレッシャーを受けながらも、腰を落としてボールをキープ。そこからヒールキックでマーカーの股にボールを通すと、前を向きつつ敵のマークを跳ね除けて縦パスを送ったのだ。

惜しくもゴールに繋がらなかったが、フィジカルの強さを存分に見せつけた一連のプレーは往年の中田英寿を想起されるものだった。

中国とのグループリーグ初戦で決勝点を奪うなど、今大会の松木はコンディションが良さそうだ。4月25日(現地時間)のカタール戦、負ければパリ五輪行きがなくなる運命の一戦を制すうえで、彼の力強いプレーは大きなカギとなるはずだ。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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