【F1】ストロールの暴挙受けてアストンマーティンが残留方針を撤回も「現状を見直す可能性」

ランス・ストロール(ロイター)

F1アストンマーティンが、中国グランプリ(GP)における騒動を受けてランス・ストロール(25)の残留方針を急転して撤回する可能性が出てきた。

ストロールは、オーナーの父ローレンス氏による影響力もあって契約が自動更新で、来季に向けても残留が既定路線。中国GP前には、マイク・クラック代表も契約延長の方針を示唆していた。しかし、中国GPではスプリントや予選など終始低迷。そして肝心の決勝では、セーフティーカーの導入中に前方不注意でダニエル・リカルドに追突する失態を犯した。

ここまでならば仕方ない面もあるが、ストロールは事故後にリカルドを「アホが急ブレーキした」などと侮辱。さらにペナルティーを与えた審査委員に向けても「信じられない、まるでジョークだな」などと暴言を連発した。さらにレース後も再び審査委員に向けて「配慮してほしかった」などと開き直り、ひんしゅくを買っている。

こうした〝逆ギレ〟が騒動になり、被害者のリカルドは激高。現役ドライバーの間からもオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が「他の全員は互いに衝突しなかったじゃないか」と苦言を呈し、各国メディアからは集中砲火を浴びている。事態を重く見たアストンマーティンでは、ついにストロールの処遇を再検討する動きが出てきた。

ドイツメディア「デアヴェステン」は「数か月以内にF1ドライバーのコックピットが揺れる可能性がある。それはビッグサプライズだ」と前置きして、こう続ける。「ランス・ストロールは、7年近くにわたってF1でレースを続けている。現在はストロールの将来について臆測が飛び交っているが、退団は大きなサプライズとなるだろう!」と退団の可能性が出てきたことを伝えた。

父の威光で傍若無人に振る舞う〝ドラ息子〟のチーム内での立場は安泰かとも思われたが、中国GPにおける一連の出来事は想定外の大逆風に。「F1におけるストロールの将来について議論の対象となることは一度もなかったが、今回の発言は人々を立ち上がらせ、注目を集めている。中国GPを巡って、アストンマーティンが現状を見直す可能性があるという噂が飛び交っている」とチームがこれまでの残留方針を一転して撤回する動きまで出てきたのだ。

四面楚歌となりつつある〝ドラ息子〟。外堀は埋まりつつあるが、最後は父に泣きつくことになるのだろうか。

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