【日本ハム】新庄監督うれしい悲鳴 5連勝で貯金4…野村佑希、スティーブンソンの昇格どうする

現在は二軍待機中の日本ハム・野村佑希(左)とスティーブンソン

日本ハムがうれしい悲鳴を上げ始めている。23日の楽天戦(楽天モバイル)も延長12回の死闘を4―3で制し、破竹の5連勝。11勝7敗1分けとし、貯金を今季最多の4に伸ばした。

新庄監督は試合後「一生懸命勝ちに食らいついていく選手の姿を見ていたら、涙が出てくるね。こんな勝ち、ある? 最後の12回に。〝脳の汁〟がもう…」と選手の奮闘に目を細めるばかり。勢いは止まる気配を見せないのだから、今季の強さは本物なのだろう。

もっとも、そんな絶好調のチーム状況だからこそ難題も浮上しつつある。二軍にいる期待の選手を容易に一軍へ昇格させられないことだ。

現在、日本ハムのファームでは今月上旬に打撃不振で二軍降格となったチームの主軸候補・野村佑希内野手(23)、新助っ人アンドリュー・スティーブンソン外野手(29)の主力野手2人が調整中。ただ、ともに打撃は好調で野村は「3番・三塁」で先発出場したこの日のイースタン・DeNA戦で2本塁打を含む4打数3安打5打点と大爆発。打率も3割5分1厘と好成績を残している。

一方のスティーブンソンも一軍での成績は11試合で打率1割1分8厘とサッパリだったものの、二軍降格後は猛奮起。この日まで出場4試合で打率6割4分3厘を残すなど調子を取り戻しつつある。本来ならば、一軍昇格で即座に起用したいところだろう。

だが、野村が守る一塁、三塁には、打撃好調の郡司を筆頭にマルティネス、加藤豪、奈良間、左足首のケガから復帰した清宮らがひしめく。さらに左翼も郡司、清宮に加えて五十幡、細川らが虎視眈々とスタメンの座を狙っているため、スティーブンソンの居場所はない。ここ2年で戦力が充実してきたからこその悩みではあるが、中軸候補の野村や推定年俸1億1000万円のスティーブンソンを二軍に置いておくのはもったいない。

新庄監督はすでに清宮の一軍昇格時に「野村君を待ちたいですね」と期待を寄せ、スティーブンソンに関しても「ファームで打席に立たせて感覚を取り戻した方が早い。どんどん打席に立たせてね」と述べている。

現時点では二軍調整を維持させる意向を示しているが、指揮官は今後どう対処していくのか。チームの歯車がかみ合う中、いい意味で悩ましい問題となっている。

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