【ロッテ】「越年」契約だった佐々木朗希に警鐘 他人事ではない大谷翔平の〝イッペイ・スキャンダル〟

7回3失点の好投も、今季初黒星となったロッテ・佐々木朗希

ロッテ・佐々木朗希投手(22)が23日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)に先発し、今季初の〝大台超え〟となる最速161キロをマーク。7回5安打3失点(自責点2)ながら今季初黒星(2勝)を喫し、2―4で敗れたチームは4連敗となった。早ければオフにもMLB挑戦を目指す令和の怪物には、ドジャース・大谷翔平投手(29)に降りかかった〝イッペイ・スキャンダル〟からの教訓として警鐘も鳴らされている。

球団創設1万試合目のメモリアルゲームに花を添えることはできなかった。161キロを計測した4回に2点を先制され、7回にも適時打を許し、チームは借金生活に突入した。

昨オフには早期のメジャー挑戦を球団側に直訴し、契約更改はキャンプインのギリギリまでもつれこんだ。今季はロッテの一員としてリーグ優勝を目指すが、その先には夢の舞台を見据えている。そんな右腕を高校時代から追い続けるMLB関係者の一人は「すでに〝将来のメジャーリーガー〟と騒がれていた大船渡高校の3年時から、彼の周囲には一獲千金を狙う大人たちが群がっていた」と前置きしながらこう続けた。

「彼が何者かになってから寄ってくる人たちは、基本的に佐々木朗希ではなく、彼が稼ぐカネに興味がある人間ばかりと肝に銘じた方がいい。特定の人間への過度な信頼は、大谷君の二の舞になってしまう。水原(一平)通訳も最初からよこしまな気持ちがあったわけではないと思う。結局、カネが人を変えてしまった。彼は大谷君の事例を今後の教訓にしなければいけない」

抜群のポテンシャルを秘める佐々木を巡っては、高校卒業前から岩手が生んだ〝ネクスト大谷〟として複数の代理人事務所が大争奪戦を繰り広げた。幸か不幸か、本人をマネジメントする背後の大人たちの意向もあって、入団4年目にして契約更改で初の保留。年をまたぎメジャー移籍騒動の渦中に放り込まれる形となった。

大谷も気心知れた元通訳の水原容疑者に何の疑いも持たなかったことから、自身の銀行口座を乗っ取られ、1600万ドル(約24億5000万円)以上を不正にだまし取られた。グラウンド上では史上最高のプレーヤーである一方、米メディアからも〝脇の甘さ〟は厳しく指摘されているところでもある。

その米国内で佐々木は早くも「ドジャース入りが決定的」との報道もされる中、どれだけ確固たる意志を持ち、周囲に流されずに行動できるのか。新たな悲劇の主人公とならないためにも、気をもんでいる関係者は少なくない。

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