千葉銚子オフショアウィンド/環境アセス準備書の縦覧開始、銚子市沖洋上風力発電

三菱商事ら3者で構成する千葉銚子オフショアウィンド(千葉県銚子市)は、銚子市沖に計画している洋上風力発電の事業内容を明らかにした。単機出力が13メガワットの着床式風車を31基設置。総発電出力は403メガワット規模となる。2026年にも着工し、28年9月の運転開始を目指す。工事に先立ち、鹿島港で風力発電機の一部を組み立てる。23日に県庁などで事業の環境影響評価(環境アセス)準備書の縦覧を始めた。
事業名称は「(仮称)千葉県銚子市沖における洋上風力発電事業」。対象エリアは銚子市沖に設定された約4400ヘクタールの促進区域で、改変面積は約19・2ヘクタールとなる。
改変の内訳は▽風力発電機(モノパイル基礎)約0・2ヘクタール▽風力発電機(洗掘防止工)約3・5ヘクタール▽海底ケーブル(延長6万1990メートル、改変幅2・5メートル)約15・5ヘクタール。海底ケーブルは陸上の変電施設に向けて可能な限り海底に埋設して陸揚げするという。
工事工程の概要によると、洗掘防止工を26年12月~27年9月に行う。風力発電機基礎工事は同2~5月、海底ケーブル敷設工事は同2~9月を予定し、風力発電機設置工事は28年1~6月となる見通し。同1~8月に試運転も行う。
モノパイル打設工は、自己昇降式作業台(SEP)船でモノパイルを積み替え後、据え付けられた油圧ハンマー海底地盤内に打設する。モノパイル1本当たり3時間程度を見込む。
風力発電機設置工事は、基礎港湾である鹿島港で風力発電機の一部を組み立てる。SEP船で輸送後、1600トンつり級クレーンでタワーをつり上げ、モノパイルに設置する。ナセルやハブ、ブレードの取り付けや電気工事などを行う。1基当たりの設置工期は1週間程度を想定する。
風力発電機は▽ハブ高さ137メートル▽ローター直径220メートル▽海面からブレード上端までの高さ247メートル▽海面からブレード上端までの高さ27メートル-の規模。工期中、鹿島港にモノパイルやタワー、ナセル、ブレードなどを仮置きする。鹿島港は既設港湾施設の一部を利用し、新たな港湾施設の造成はしないという。
千葉銚子オフショアウィンドは三菱商事、三菱商事エナジーソリューションズ、シーテックの3者で構成するSPC(特定目的会社)。準備書の縦覧期間は5月27日まで。準備書の説明会を同8~10日の3日間開く。開催地は同8、10日が銚子市内、同9日は旭市となっている。

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