不動テトラ/地盤改良の無人化施工を実証、走行・旋回・改良杭打設を遠隔操縦

不動テトラと同社グループのソイルテクニカ、カナモトの3社は、茨城県土浦市にある不動テトラ総合技術研究所試験フィールドで、遠隔操縦による地盤改良現場の無人化実証実験を行った。地盤改良の施工機にカナモトの遠隔操縦システム「KanaTouch」(カナタッチ)を組み込み、遠隔操縦で施工機の走行や旋回、改良杭の打設ができることを確認した。今後、施工機の遠隔操縦に関する無人化現場での安全ルールを確立し、実現場への導入を目指す。
地盤改良の施工機を遠隔操縦する実証実験は初の試みという。無線ネットワークで高精細な現場カメラ映像のデータや施工機の制御データを、正確に遅延なく通信。遠隔地からも臨場感のある操作が可能だと確認した。無人化施工機の稼働エリアへの人の立ち入りや通信不良時の緊急停止など、安全装置が正常に稼働したという。
不動テトラのGNSS(全球測位衛星システム)位置誘導システム「Tarpos(ターポス)3D」や、自動打設システム「GeoPilot(ジオパイロット)-AutoPile(オートパイル)」とも連携。地盤改良現場の省人化や無人化へ向けた基本システムの運用を確認した。
同社は遠隔操縦とICTシステムで地盤改良現場の無人化や省人化、安全性を確保し、災害復旧現場や汚染された環境での施工、海外や宇宙開発など対応可能な市場の拡大を見込む。GeoPilot-AutoPileとの連携で、改良杭の打設が自動で行えるため、オペレーターは改良杭の打設中に他の施工機の操作が可能になる。1人のオペレーターが複数の施工機を同時に操作できる実証実験を進めていく。

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