全国鉄構工業協会/鉄骨製作図作成で国交省らに是正要望、工程遅延などで負担増

全国鉄構工業協会(全構協、永井毅会長)は22日、工程遅延に伴う負担増加など鉄骨製作図の作成を巡る諸問題について、国土交通省や日本建設業連合会(日建連)ら4者に是正と解消を要望した。図面製作に関する要望は初めて。永井会長らが東京都内で日建連と全国建設業協会(全建)、国交省、中小企業庁に対し問題点をまとめた要望書と47都道府県の各会員組合による連名書を手渡した。
「鉄骨製作図問題の是正・解消に向けた要望書」では▽元請▽設計者・監理者▽CMr(コンストラクションマネジャー)を含む発注者▽監督官庁-の4者ごとに要望事項を整理した。工期遅延などを想定した契約時の業務明確化やもの決め工程の順守、設計変更の抑制、発注側への指導・監督の強化などを盛り込んでいる。「鉄骨製作図の段階であれば、いくら手戻りさせても構わないという誤った風潮」の改善も求めた。
計画変更申請の時期や回数を制限する将来的な法改正にも言及。組合構成企業へのアンケートを基にトラブル事例を集めた別紙資料も添付した。要望書は全構協公式サイトで公開し、各都道府県組合の要望活動にも活用してもらう。
要望後に開いた記者会見で永井会長は「建設業に人を集めるためにも業界全体を改革しないといけない」と強調。BIMについても「設計変更や手戻りが多発する現状では有効活用につながらない」と指摘した。
小貫武専務理事は、建設業に時間外労働上限規制が適用され「一緒に解決に向かえる良いタイミングが来たのではないか」と要望に至った背景を説明。大竹良明副会長も「ここ数年は国も積極的に動いていると感じる。大きく変えるには今しかない」と述べた。

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