田中圭、北村匠海、新垣結衣…「実写化教師ドラマ」実力派俳優たちの「ういういしい生徒役」姿

左から)北村匠海、田中圭、新垣結衣(C)ふたまん+

2024年4月1日、1998年に大ヒットした連続ドラマ『GTO』(フジテレビ系)のスペシャルドラマが放送され、当時生徒役で出演していた小栗旬さん、窪塚洋介さんら豪華な俳優陣の再集結が話題を集めた。

同作は1996年から2002年にかけて『週刊少年マガジン』で連載された藤沢とおるさんの漫画を原作としたドラマ。1998年にドラマ化され、主人公の教師・鬼塚英吉役を反町隆史さんが務めた作品だ。

『GTO』のように、教師を主人公にした漫画はこれまでにもたびたび実写ドラマ化されており、そうした作品では当時売り出し中の若手俳優が生徒役で出演していることも多い。

中には現在知名度抜群の人気俳優が複数人出演している作品もあり、キャストの豪華さに驚くことがある。今回は、そんな教師モノの実写化ドラマに生徒役で出演していた若手俳優を振り返ってみよう。

■阿部寛さんの熱演が反響を生んだ『ドラゴン桜』

まずは、『モーニング』にて2003年から2007年の間連載されていた三田紀房さんの漫画『ドラゴン桜』。元暴走族の弁護士・桜木建二が、偏差値30台の高校生を東大へ進学させる異色の東大合格請負漫画である。

桜木は、「バカは食い物にされる。損して負けたくなかったら勉強して東大へ行け」と、厳しい現実をストレートに生徒たちに叩き込む超絶リアリスト。だが、その言動は読者を大きく揺さぶった。

実写ドラマは2005年にTBS系で放送され、桜木のイメージにピッタリな阿部寛さんが主演を務めた。ドラマオリジナルのセリフ「バカとブスこそ東大に行け!」は、今なお語り継がれる名言となっている。

そして、龍山高校特進クラスの生徒も、当時連ドラ数本に出演し着実にキャリアを積み重ねていた小池徹平さん、サエコ(現:紗栄子)さん、中尾明慶さんら豪華キャストが揃い踏み。その中で、当時20歳の山下智久さんは複雑な家庭環境で育った矢島勇介を演じた。すでに『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)や『ランチの女王』(フジテレビ系)などのドラマで注目されていたが、本作の矢島役でさらに株を上げていく。

同様に、2004年の映画『世界の中心で、愛をさけぶ』で人気爆発中だった長澤まさみさんは、水野直美を演じている。役者としての経験値があるうえに、現役女子高生世代だったため役への浸透力も高く、際立った演技力を見せていた。

最もフレッシュだったのは、2005年にドラマデビューを果たしたばかりの新垣結衣さんだろう。演じたのはギャルの香坂よしので、清純派の役が多い現在からすると意外な配役だ。ゴールデンタイムの出演は同作が初めてだったので知名度はゼロに近いが、今と変わらぬ可愛さで視聴者を魅了した。

■若手イケメン俳優の登竜門!『ごくせん』

次は、イケメン若手俳優を次々と排出してきた『ごくせん』(日本テレビ系)。原作は、2000年から『YOU』で連載されていた森本梢子さんの同名漫画で、実写版はこれまでにドラマ3作と映画が制作されており、主人公・ヤンクミを演じていたのは仲間由紀恵さんだ。

実写ドラマの第1シリーズが放送されたのは、2002年のこと。このとき生徒として出演した俳優の中には後に主役級となった人物もいて、非常に豪華なキャストである。

まずは、2度目の学園ものの実写ドラマとなった内山春彦役の小栗旬さん。同作では金髪少年を演じ、『GTO』とは違う一面を見せている。その後、本作で沢田慎役を務めた松本潤さんと再共演した『花より男子』(TBS系)など、名作ドラマに次々と出演して実力派俳優への道を突き進んでいく。

毛利研一を演じていた松山ケンイチさんは、同作でドラマデビューを果たしている。金髪のやんちゃボーイの役ではあるが、初々しくあどけなさの残る姿が印象的だった。

さらに、6話ではいじめで不登校になった結城正人役でウエンツ瑛士さんが出演していた。ウエンツさんは当時すでに“てれび戦士”や役者として活動しており、安定感のある演技力を見せている。

意外なのは、10話で登場した田中圭さんだろう。当時はまだブレイク前の存在だった田中さん。同作では、自分の万引きを白金学院高校の生徒になすりつける英翔学園高校の生徒役で出演している。セリフはないが、切羽詰まった様子を表情や仕草で繊細に表現し、存在感を放っていた。

■クセ強教師鈴木先生のオリジナル教育論が炸裂した『鈴木先生』

最後は、2005年から『漫画アクション』で連載された武富健治さんの漫画『鈴木先生』。同作は未成年の性問題といったディープなテーマを扱っており、2007年には文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。

実写ドラマは、長谷川博己さん主演で2011年にテレビ東京系列でスタート。生徒役では、オーディションで小川蘇美役を射止めた連ドラ初レギュラー出演の土屋太鳳さんが強いインパクトを残していた。当時16歳の土屋さんは、初めての経験で戸惑いながらも長谷川さんらにアドバイスをもらいながら全力で取り組んだのだとか。

さらに同作では、13歳の北村匠海さんの姿も見られる。北村さんは9歳でデビューしていて、『鈴木先生』の時にはすでにドラマ出演経験あり。作中では小川蘇美に片思いする出水正を演じ、抜群の存在感を放っていた。北村さんと長谷川さんは、2024年4月14日から始まった日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)で再共演している。

そして、バレー部員の堀の内七海役は当時16歳の松岡茉優さんだった。作中では三つ編みおさげの“素朴な少女”で、まだあどけなさが残っているものの、「おはガール」時代から変わらない可愛らしさがあった。

どの実写ドラマにも人気俳優が出演していたが、みな若々しくて改めて振り返ると新鮮である。これからも新たな教師ドラマが実写化され、未来の人気俳優が誕生することに期待したい。

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