栃木2遺体事件で出頭の男は〝使い捨てのコマ〟 実行犯逃亡のための時間稼ぎ

実行犯はほかにいる!

栃木・那須町の河川敷で焼けた男女の遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された平山綾拳容疑者(25)が那須町に行っておらず、遺体発見直前には東京都内にいたことが23日、分かった。那須に向かった車には平山容疑者とは別の複数の人物が乗っており、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は、実行犯は別にいるとみて調べている。

平山容疑者は実行犯について「(損壊場所は)誰も来られないところがいいと話していた」と説明している。

遺体は16日早朝に見つかった。東京・台東区上野で居酒屋14店舗を経営する宝島龍太郎さん(55)と妻とみられる。

平山容疑者は「名前は言えないが、兄貴分に指示されて車を貸しただけ」と語っていた。また、事前に〝兄貴分〟から「遺体の処分のため指示された」としてガソリンや粘着テープなどを購入。「現場には行っていない」など、平山容疑者が警察に語ったことは、後に警察の裏付けで事実認定された。

一方、実行犯らの話を傍らで聞いていて、「遺体を遠くに捨てるんだろうなと思った」と話していることから、捜査本部は現場に行っていなくても死体損壊の共犯に当たるとみている。

平山容疑者が遺体発見の翌日に出頭したことから、〝兄貴分〟を裏切ってまで自分だけ罪を軽くしたいのかと思われたが、供述がことごとく正しかったことから、別の可能性が出ている。

元警察関係者は「犯人グループは平山容疑者にわざと犯行計画の一部を聞かせて、道具を調達し車を貸しただけなら軽い罪になるとそそのかして、出頭させたのかもしれません。車や道具という犯人の遺留品はアシがつきやすいですから、それを見越しての出頭指示の可能性もあります。平山容疑者の供述の裏付けを取るために人員が割かれるので、犯人グループは少しでも時間稼ぎができます」と指摘する。

時間稼ぎのため出頭させた、使い捨てのコマということか。

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