藤ヶ谷太輔&奈緒、実写版『傲慢と善良』でW主演!雪下まゆによるティザービジュアルも

雪下まゆによる描きおろしティザービジュアル - (C)2024「傲慢と善良」製作委員会

直木賞作家・辻村深月の累計発行部数90万部を突破する小説を実写映画化した『傲慢と善良』(9月27日公開)で、藤ヶ谷太輔奈緒がダブル主演を務めることが発表された。2人はドラマ「やめるときも、すこやかなるときも」以来、4年ぶり2度目の共演となる。

本作は、『朝が来る』『ハケンアニメ!』などの映画化が相次ぎ、本屋大賞受賞作『かがみの孤城』はアニメ映画化もされた辻村の同名小説が原作。西澤架と坂庭真実はマッチングアプリで出会い婚約するも、その直後に真実が突然失踪。架が彼女を探すうちに知りたくなかった過去と嘘が明かされていき、最後に一生に一度の選択にたどり着くまでを追う。“傲慢”な架を藤ヶ谷が、“善良”に生きてきた真実を奈緒が演じる。監督は『東京喰種 トーキョーグール』や『サヨナラまでの30分』を手掛け、『ブルーピリオド』の公開が控える萩原健太郎。ドラマ「最愛」などの清水友佳子が脚本を担当する。

映画化決定前から、原作小説について「一番心に刺さって感銘を受けた小説。もし映像化されるなら絶対に自分が演じたい」と強い意志を見せていたという藤ヶ谷。演じる架についても「子供の頃に置いてきてしまった気持ちが言語化されている。辻村先生が自分のことを知っているのかと錯覚するぐらい」と一挙手一投足に共感を重ねている。一方、奈緒もまた「辻村先生の映画に出るのが夢だった」と明かしており、原作についても「ミステリー要素がありながら、人生の選択について見つめ直すことができる作品。誰のどの部分に共感するか、人によって解釈が変わる面白さもある」と熱弁。そんな2人だけに、辻村自身も「このお二人に架と真実を託せて本当によかった」と絶賛のキャスティングとなった。

また、書店でも一際目を引く原作のカバーイラストを手掛けた、新進気鋭のイラストレーター・雪下まゆが、映画化に向け、原作版の“その先の物語”を表現するイラストを描きおろしたティザービジュアルも公開。原作版では真実が1人で夜景をぼんやりと見つめている姿だったが、今回は真実が架の肩にもたれ掛かり同じ方向を見ているようで、2人の目線の先はどこか揃っていない。温かい雰囲気の中にもミステリアスな要素が秘められている、見る者の想像力が掻き立てられる1枚に仕上がっている。

(C)2024「傲慢と善良」製作委員会

さらに、失踪した真実を探す架の、心配そうにも、切羽詰まったようにも見える表情と、原作の表紙を彷彿とさせる真実の表情の対比が、2人のすれ違いを予感させる場面写真も併せて公開されている。(高橋理久)

キャスト・監督らのコメント全文は以下の通り。

藤ヶ谷太輔(西澤架 役)

映画化が決まる前から、「人生で 1 番好きな小説」に挙げていたほどこの作品が大好きでした。辻村さんは僕のこと知っているのかなって思えるぐらい、僕自身の物語のように思いました。「もし映画化するなら絶対に架を演じたい。叶わなければ一生後悔する。」と思い、原作の関係者の方へもアプローチしてご縁がつながり本作のオファーをいただきました。僕の俳優人生の中でも並々ならぬ想いで演じました。まだ気づいていない潜在的な感情に気づくことができ、自分の世界が広がるような作品です。恋愛面だけでなくミステリー要素も織り込まれているとても魅力的な作品です。

奈緒(坂庭真実 役)

辻村先生の作品に出演したいとずっと思っていたので今回夢が叶って嬉しいです!私自身いいところばかりの人間ではないのですが、昔から「いい子だよね」と善良に見られることも多いので真実とリンクしました。地方出身ならではの恋愛観や価値観にも共感できましたし、私自身 30 代目前となり人生の選択を考える時期になりましたので、様々な選択が描かれているこの作品に出会えて幸せです。藤ヶ谷さんや監督と結婚や恋愛の価値観についてとことん話し合いました。自分が好きになれなくて蓋をしたい気持ちを「傲慢と善良」という言葉が救ってくれるようなとても希望のある作品です。

萩原健太郎(監督)

架は天然なんだけどどこか憎めないキャラクターです。スターなのに誰とでも常にフラットに接する藤ヶ谷さんと重なる部分を感じました。藤ヶ谷さんのコアにあるそういう人間に対する優しさが常に滲み出て、現場でどんどん架の事が好きになりました。奈緒さんは真実というキャラクターの背景をどこまでも深く広く想像力をもって演じてくださいました。撮影前は想像していなかった真実の姿を見る度に真実が自分の想像を超えて魅力的な女性であると気付かされました。原作小説の行間にある架と真実の感情の機微をお二人が繊細に表現してくださったお陰で実写映画化した意味を強く感じました。「傲慢」さと「善良」さは表裏一体で、きっとその狭間を行き来しながら生涯付き合っていかなければなりません。本作が、完璧じゃない他人や自分を受け入れて前に向かって進む一助となることを願っています。

清水友佳子(脚本)

発売以来、多くの読者の心を揺さぶり続ける本作の脚色を担うプレッシャーは計り知れないものでした。小説の完成度があまりにも高いため映像作品として再構築するのは大変難しい作業でしたが、世界観を見誤らぬよう何度も原作を読み返し、辻村先生の助言も頂きながら執筆を進めました。完成した本編を見て強く印象に残ったのは、藤ヶ谷太輔さんと奈緒さんの圧倒的な表現力です。不完全だからこそ愛おしい架と真実がそこにいました。お二人の緻密で繊細なお芝居が、物語に深い奥行きを与えて下さいました。ラブストーリーでもあり人間ドラマでもある本作が、観て下さった皆様に愛して頂ける作品になることを祈っています。

辻村深月(原作者)

「あ、架と真実がいる」お二人の姿を撮影現場で目にしての、最初の感想でした。ただ、原作の二人はともに一癖も二癖もある人たち。そんな架と真実そのものと言われるのは抵抗もありませんか?と尋ねる私に「いえ!今この瞬間は、その言葉が何よりも嬉しいです」と藤ヶ谷さんがこたえ、奈緒さんが微笑みながら頷いてくださった瞬間、ああ、このお二人に彼らを託せて本当によかった、と感じました。何年も前から架役の藤ヶ谷さんが原作を心に深く刺さった本としていろんな場面でお話ししてきてくださっていたこと、真実役の奈緒さんが中学生の頃から私の本を愛情深く読んできてくださったこと、以前から伺って、とても光栄に思い、感謝してきました。映画の完成を心から楽しみにしています。

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