突然ですが、ここで問題! 「ドライバーで100ヤード打つにはどうしたらいい?」答えられたアナタは“タテの距離感”が合う人です

体の捻転や可動域アップなど、ゴルフ上達に“柔軟性”は大切な要素だといわれているが、それは体に限った話ではない。「柔軟な発想こそ、実践で役立つ応用力を高められます」と話すのは、かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏。“柔らか頭”になると、一体どんないいことがあるのか。

「ゴルフはタテの距離感こそがスコアメイクのカギ。その“距離感”を手に入れるには一つの距離を徹底的に自分の中に染み込ませる必要があります。そのベストな距離が100ヤード。この“100ヤードのものさし”の作り方は、どんなクラブでも確実にキャリーで100ヤードを打てるようになること。つまり、スイングの大きさや強さをアレンジする発想力が求められます。では、ここで一つ問題を出しましょう。PWで100ヤードをキャリーで打ちたいのですが、アナタはフルショットしても95ヤードしか出ません。どうやって残り5ヤードの距離を稼ぎますか? 頭を柔らかくして考えてみてください」

マックスの飛距離が95ヤードなら、これ以上のマン振りは無意味だし、トップ気味に打ったとしても、それではキャリーにならない……う~ん、一体どうすれば?

「PWで届かないなら、9番アイアンならどうでしょう? 球を真ん中よりもっと右に置いて超ハンドファーストに構えれば、ロフトが立って9番アイアンと同じになります。飛びすぎると思うかもしれませんがPWはシャフトが短いぶん、フルショットしても半番手しか飛距離は伸びない。つまり、100ヤード飛ばせるというわけです。本番では、番手の中間の距離が残ることがしょっちゅうあります。頭を柔らかくして発想を転換すれば、こういう状況に陥ってもしっかり対応できます。ほかにも、ドライバーで100ヤードを打つにはどうするか、とか。この場合、フルスイングでゆっくり、そっと打つ人がいますが、短い距離を打ちたいならイメージするのはウェッジ。グリップを思い切り短くに握り、スタンスもアプローチのように狭くして、腰から腰の振り幅で打つ。芯に当てれば小さな振り幅でも簡単に100ヤード飛ばせます」

つまり、スイングの強弱(スピード)で無理なら、大きさ(幅)を調整すればいいというわけだ。ドライバーは飛ばすことしか考えていなかったが、あえて「飛ばさない」練習をすることで、打ち方に工夫が生まれ、それがゴルフの応用力にもつながるのだろう。

ここで紹介したのは正解の一つであって、方法はほかにも存在する。自分なら100ヤードをどう攻略するか、いろいろな思いつきを実践してみて欲しい。頭が柔らかくなったとき、自分なりの“100ヤードのものさし”も完成して、タテの距離感が合っているはずだ。

◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。

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