大分市の「うみたまご」、セイウチの赤ちゃんが初めて誕生【大分県】

セイウチの赤ちゃん(手前)と、母親の「泉」=23日、大分市神崎

 大分市神崎の大分マリーンパレス水族館「うみたまご」(田中平館長)で、セイウチの赤ちゃんが初めて誕生した。23日から館内1階の展示プールで一般公開を始めた。同館は「健康に伸び伸びと大きくなってほしい」と期待している。

 同館によると、赤ちゃんは雌。15日に生まれた。20日時点で体重約55キロ、体長約120センチ。生後間もない頃の体重は通常30~40キロで、大きめだという。

 母親の「泉」(19)は昨年1月から約1カ月、繁殖のために動物を一定期間貸し借りする「ブリーディングローン」制度により、三重県鳥羽市の鳥羽水族館に移っていた。雄の「ポウ」(19)とペアリングし、7月に妊娠が確認された。

 セイウチは妊娠15カ月前後で出産するため、早めの誕生となった。国内では同制度による出産で3日以上育った例はこれまでなく、初めてだという。泉も2019年に1度目の妊娠をしたが、20年2月に死産していた。

 飼育部獣類グループの沢田達雄サブリーダー(43)は「待望の赤ちゃん誕生。母子共に健康で、泉の子育ての様子にも注目してもらいたい」と話した。

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