石原さとみ『Destiny』が木村拓哉『Believe』を蹴散らすか、テレ朝お家芸の“視聴者を離さない”巧妙な考察展開に早くも灯る黄色信号

石原さとみ・木村拓哉(C)ピンズバNEWS

4月23日、石原さとみ(37)主演の連続ドラマ『Destiny』(テレビ朝日系/火曜よる9時)の第3話が放送される。

16日に放送された第2話の平均世帯視聴率は7.3%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、落ちがちな2週目でも好調。配信サービス・TVerのお気に入り登録者数も91.8万(20日12時現在)で、今期連ドラの中で首位をキープしている。25日には同じテレ朝9時枠で亀梨と同じ旧ジャニーズ系俳優、木村拓哉(51)主演の『Believe-君にかける橋-』が初回拡大スタートで控えているが、それでも首位の座は揺るがなそうだ。

このドラマは、横浜地検の検事・西村奏(石原)が、大学時代の恋人・野木真樹(亀梨和也/38)との12年ぶりの再会を機に、過去の悲劇にまつわる謎に向き合うサスペンス・ラブストーリー。第2話で舞台のメインが現在に移り、それぞれの登場人物の状況を説明。それに合わせ、伏線と思われるシーンもかなり描かれていた。

その内容は、奏は、恋人・貴志(安藤政信/48)から、突然、プロポーズされてぼう然とする。貴志と出会ったのは12年前。カオリ(田中みな実/37)の死、当時の恋人・真樹(亀梨和也/38)の失踪を境に、生きているのに死んでいるような時間を送っていた奏を助けてくれたのが、当時、大学病院勤務の研修医である貴志だった。

後日、奏はカオリの13回忌に駆けつけるが、知美(宮澤エマ/35)、祐希(矢本悠馬/33)夫婦に会えず、墓参りしたあと、久しぶりに大学に寄ることに。教室で学生生活を思い出していると、そこに、真樹があらわれる。「会いたかった」と真樹は言うが、奏は、どうして黙っていなくなったのかと責め、涙を流すが……という展開。

■視聴者をつかみやすい考察系の『Destiny』

亀梨だけでなく、宮澤と矢本、さらに安藤と、ほとんどの登場人物が、奏が知らない“なにか”を知っている様子。さらにラストで、真樹が父である弁護士・野木浩一郎(仲村トオル/58)に、東京地検の検事だった奏の父・辻英介(佐々木蔵之介/56)を殺したのではないかと問い詰め、それを奏が聞いてしまう衝撃のシーンもあった。

そのため、X(旧ツイッター)上では、《知美はどんな記事を見つけてしまったの? それを深掘りして調べたのはカオリだよね》《まさか、真樹が奏をお父さんの死の真実から守るため、カオリを意図的に殺して、敏腕弁護士の真樹のお父さんがそれを揉み消した?》などと、早くも考察が盛り上がっている。

「テレ朝の考察系ドラマは、数多くの伏線を実にうまく見せていくことで評価が高いです。過去の『ハヤブサ消防団』や『unknown』も、そのおかげで考察が盛り上がり、視聴率も上々の数字で終わりました。考察系は視聴者が離れにくいうえに、後半にかけて数字が伸びるので、本作も今後に期待できそうです」(ドラマライター/ヤマカワ)

好スタートを切った『Destiny』。一方、『Believe』はどうなるだろう?

このドラマは、橋づくりに情熱を燃やす大手ゼネコンの土木設計部長・狩山陸(木村)が、大人数を巻き込む事故が発生したため、刑務所に収容されてしまうという困難に見舞われながらも、決してあきらめるこなく希望と再生の道を模索するヒューマンエンタメだ。ドラマとしては王道路線のようだが……。

■『Believe』の割り込む場所はなし?

「正直、出遅れ感が否めません。これまで隠されていた、天海祐希(56)や竹内涼真(30)など、超豪華メインキャスト8名の情報が、4月19日に解禁されたましたが、すでに考察系では、『アンチヒーロー』(TBS系)と『Destiny』が盛り上がっていて、そちらの話題に埋もれてしまいました。

さらに、『Believe』と同じ木曜でも、考察系の『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)がすでに始まっています。視聴者が離れにくい考察系ドラマが、先行して始まっているというのは、明らかに不利。王道エンタメではありますが、好発進は難しいかもしれません」(前同、ヤマカワ)

視聴率、配信ともに好調な本作を、テレビ朝日の開局65周年作品で力が入っている、木村拓哉の『Believe』は追い越すことができるか、注目したい。

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