酒井瑞穂さん最高賞 ミズノ優秀指導者表彰、競歩メダリスト輩出

ミズノスポーツメントール賞の最高位に当たるゴールド賞を受賞し、喜ぶ酒井瑞穂コーチ(左)と夫の俊幸監督=東京都

 日本の優秀な指導者を表彰する「ミズノスポーツメントール賞」の最優秀に当たるゴールド賞に、東洋大陸上部の酒井瑞穂監督補佐・競歩コーチ(47)=本宮市出身=が選ばれた。本県出身者のゴールド賞受賞は初めて。表彰式が23日、東京都内で行われ、酒井さんは「関わった選手が成長し、人生を切り開いていく姿が一番の原動力になった」と喜びを語った。

 酒井さんは福島西女(現福島西)高、日本女子体育大卒。学生時代は競歩の選手として活躍し、卒業後は本県で高校教員となって指導者の道に進んだ。

 東洋大の酒井俊幸陸上競技長距離部門監督(47)=学法石川高卒=の妻でもあり、2009年には夫の同大監督就任を機に瑞穂さんも監督補佐に就任した。18年に競歩コーチの肩書が加わり、東京五輪で競歩銀メダルの池田向希(旭化成)や世界陸上2大会連続メダルの川野将虎(同)らを指導。国際大会で活躍する選手を輩出してきた実績が評価された。

 夫の東洋大監督・俊幸さんも出席

 瑞穂さんは、指導者としてスタートした教員時代を原点に挙げ「福島は駅伝や陸上が盛んな地域。熱心な先生方にたくさん教育を受けたことが、指導者の基礎となって今がある」と感謝。今夏のパリ五輪では競歩チームに帯同する予定で「日本に貢献できるように頑張っていきたい」と語った。表彰式には俊幸さんも同席し、妻の受賞を祝った。

 ミズノスポーツメントール賞はミズノスポーツ振興財団が日本スポーツ協会、日本オリンピック委員会と共催で1990年度に制定。ゴールド賞は元ソフトボール女子日本代表の宇津木妙子監督、元サッカー女子日本代表の佐々木則夫監督らが受賞している。陸上界では、12年ぶりの受賞となった。

 恩師「信念の結果」

 本県初のゴールド賞の受賞を関係者も祝った。瑞穂さんを福島西女高時代に指導した須田美和子さん(75)は「男性指導者が多い中で、自分の信念を持って柔軟性を忘れずに指導を重ねてきた結果だ」と教え子の活躍をたたえた。須田さんにも受賞の連絡があったといい「指導者にとって大きな励みになる成果になった」と喜んだ。

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