月面着陸探査機「SLIM」成果報告 会津大・大竹教授ら知事表敬

探査機「SLIM」に搭載した観測機器で撮影した月面の画像を示しながら、内堀知事に成果を報告する大竹教授(右)

 日本初の月面着陸を果たした宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型探査機「SLIM(スリム)」のプロジェクトに携わる会津大の大竹真紀子教授らは23日、県庁に内堀雅雄知事を訪ね、成果を報告した。月面着陸成功の喜びをかみしめながら、月の起源の解明に向けた今後の土壌解析への意欲を語った。

 大竹教授は2016年にプロジェクトが始まった当初から関わり、月の岩石や土壌を観測する「マルチバンド分光カメラ」の運用や調整、着陸地点の検討などを担った。分光カメラで撮影された月面の画像を内堀知事に示しながら「長い時間をかけて夢を達成できた」と喜んだ。その上で「一刻も早く土壌を解析し、月と地球が誕生した経緯を明らかにしたい」と話した。

 同大からは、分光カメラの開発やデータ解析を担当した本田親寿(ちかとし)准教授、画像を表示するソフトウエアを開発した大学院生の伊深(いぶか)康一郎さんが同席した。

 スリムに搭載されたリチウムイオン電池を開発した古河電池いわき事業所(いわき市)の新妻郁浩(ふみひろ)所長、小出和也さんも同席した。素材に工夫を凝らすことで、探査機「はやぶさ2」に搭載された同社の製品に比べ2、3割の軽量化に成功したと報告した。内堀知事は「メード・イン・福島の技術が世界のために役立つのは素晴らしい」とたたえた。

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