両手が使えて安全な水の運び方 警視庁が教える裏ワザを試してみた 実際に運べた量に驚き

両手がふさがってしまうバケツより楽な運搬方法を警視庁が紹介し話題に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

日本各地で地震が多くなっています。そんなときも、生活に欠かせないのが水。断水が起きやすい災害時、水の確保は必要不可欠です。しかし、断水時に大きなポリタンクやバケツを用意して、給水車や配布場所から水を運ぶのはひと苦労。防災情報などを発信している警視庁警備部災害対策課の公式X(ツイッター)アカウント(@MPD_bousai)では、そうした非常時に役立つ水の運搬方法が紹介されています。そこで、実際にどれほど楽に運べるのか試してみました。

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両手をふさがずに水を運搬できる方法を紹介

今年1月に発生した能登半島地震では、広範囲で断水が発生しました。また、今月17日には豊後水道を震源とする地震が発生。日本各地で地震のほか、さまざまな自然災害の心配をする人は多いでしょう。水は生活に欠かせません。一定の期間、断水が続くことも想定して、なるべく負担がかからない運搬方法を知っておきたいものです。

参考にした投稿は、能登半島地震が起こったあとの今年1月13日に紹介されたもの。リュックサックとゴミ袋2枚を使い、両手をふさがずに水を運ぶことができるテクニックです。

リュックサックと45リットルのゴミ袋【写真:Hint-Pot編集部】

リュックサックとゴミ袋2枚を使用

普段使い慣れているリュックサックと、45リットルのゴミ袋2枚を使用します。

【方法】

ゴミ袋1枚をリュックサックに入れる【写真:Hint-Pot編集部】

1. 空のリュックサックの一番大きな口を広げ、ゴミ袋を1枚入れて袋の口を大きく広げた状態にする

2枚目のゴミ袋を広げて入れる【写真:Hint-Pot編集部】

2. 2枚目のゴミ袋を1枚目の中に入れ、こちらも袋の口を大きく広げる

2枚目のゴミ袋に水を入れる【写真:Hint-Pot編集部】

3. 最も内側の2枚目のゴミ袋の中に、水を入れる

2枚目のゴミ袋を閉じる【写真:Hint-Pot編集部】

4. 水が入ったら、内側にある2枚目のゴミ袋の口をしっかり縛る

1枚目のゴミ袋の口も閉じる【写真:Hint-Pot編集部】

5. 外側にある1枚目のゴミ袋の口もしっかり縛り、さらにリュックサックのファスナーを閉じる

水を入れ始めた段階では、リュックサックが自立せず不安定になるため、しっかり支えておくこと。リュックサックは水がある程度入ると自立しますが、水の勢いなどで動いたり、倒れたりする可能性があるので注意しましょう。

リュックサックを背負う【写真:Hint-Pot編集部】

両手がふさがることなく12リットルの水を運搬可能に

実際に、水が入ったリュックサックを背負ってみました。かなりずっしりして、これを手だけで運ぶのは難しいと感じる重さです。量ってみると、水は12.6キログラム入っていました。10リットル入りのポリタンクを使用するよりも、多くの水を運べることになります。給水所から往復する回数を減らせるかもしれません。

また、両手が空くのでほかの荷物を持つことも可能です。災害時に救援物資を受け取っても、手が水でふさがっていては持ち運べません。この方法であれば、ひとりでより多くの物を持つことができそうです。

取り出すのはひと苦労【写真:Hint-Pot編集部】

検証後、水が入った袋をリュックサックから取り出してみました。ただ、12キログラムを超えるため、片手では持てません。両手で持ち上げて、なんとか引っ張り出すことができる状態です。リュックサックから出した袋のままで長い距離を移動することは難しく、数メートルで限界を感じました。

日常使いの水であればリュックサックでの持ち運びがおすすめ

リュックサックとゴミ袋2枚で、12キログラム以上の水を運べました。お風呂や洗い物といった日常使いには、量を使えるため便利な方法です。水を運ぶ回数を減らすことができ、肉体的な負担も軽減できるでしょう。

ただ、ゴミ袋を利用するため、破損や衛生面の心配もあります。飲食用にはポリタンクを利用するなど、目的に合わせて使い分けると良いかもしれません。もしもに備えて、使えるテクニックとして覚えておきたいですね。

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