「水中ドローンによる橋梁の洗掘点検支援技術」が国土交通省 橋梁点検支援技術性能カタログに掲載

ジュンテクノサービスは、兼ねてよりNETIS新技術提供システム「水中自航型ロボットカメラ(水中ドローン)による水中設置物の保全点検技術(KTK-210002-A)」として、技術発表を行なってきたが、登録から情報も更に更新され、インフラ老朽化対策への取組みの1つ、持続可能で的確な維持管理・更新において新技術の活用を推し進めるべく、従来の点検方法と点検支援技術を比較していただく機会を増やすため、本性能カタログへの登録を決めたという。

状態の把握の標準的な方法及び点検支援技術として、以下の実証を行い承認された。

技術概要

本技術は、水中自航型ロボット(水中ドローン)を用いて洗掘の確認及び計測を行う点検支援技術である。搭載した2Dイメージングソナーの音響映像より、水平方向で幅の計測、鉛直方向で高さと奥行きの計測を行う。音響映像の水平、鉛直の各方向の切り替えは、水中ドローンを横方向に回転させて行う。

水中ドローンの基本構成と2Dマルチイメージングソナーを接続した状態の図

2Dイメージングソナーを用いた計測

ソナーの信号は、水平方向に130°、垂直方向に20°の範囲に照射され、同範囲を音響映像として出力する。出力された音響映像から任意の区間の距離を計測する。計測は音速と反響時間の相関により計算する。

水平方向に130°照射した場合、出力される音響映像は平面図のイメージとなり、断面欠損においては幅の計測が可能である。また、鉛直方向に130°照射した場合、音響映像は断面図のイメージとなり、断面欠損の高さ及び奥行きを計測可能だ。

ソナーの照射方向の切り替えは、水中ドローンを横方向に90°回転させて行う。また、機体の縦方向の回転においてもソナー照射角の調整を行い、最適な表示範囲に調整する。各方向でのソナー使用イメージおよび音響映像を、図1に示す。

図1:水平方向・鉛直方向のソナー使用イメージ

調査結果の解釈の留意

2Dイメージングソナーを用いた計測においては、音響映像を正確に読み取る必要がある。

ソナーの反応は音響の反射した対象物により異なり、ガス又は硬質なものは反射が強く明るい反応であり、泥などの軟質なものは反射が弱く暗い反応となる。

また、鉛直方向での音響映像撮影時、対象に対し直角となるよう照射角度に留意する。

橋脚洗掘調査時の撮影イメージおよび実際の音響映像を、図2に示す。

音響映像は、対象に対しほぼ直角にソナーを照射した際の映像であり、正面の橋脚や河床の形状を音響映像より読み取る。また、ソナーが空気に対して強い反応として現れるので、橋脚上に水面位置が強い反応として現れる。水面位置と河床の距離を計測することで、水深の計測が可能だ。

図2:音響映像からみるソナー照射時の計測結果の留意点

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