山形市の県産業科学館に、耳で世界を感じるアトラクションが登場した。その名も「おとンネル」。トンネルをくぐると、各地で録音した自然環境の音や動物の声が聞こえてくる。東北芸術工科大(同市)の学生がデザインし、23日、完成披露会が開かれた。
音響機器の東北パイオニア(天童市)が展示ブース刷新に合わせ、同大プロダクトデザイン学科に協力を依頼した。学生5人が協議を重ね、▽山形でグローバルな視点を得る▽子どもも大人も楽しめる-とのコンセプトを形にした。4年高野彩希さん(21)は「スピーカーの内部に入って音が聴けたら面白い、と考えたのがきっかけ」と話す。
トンネルは縦2.5メートル、横1.35メートル、高さ2.7メートルで同社製スピーカー7台を備える。音源はパイオニア(東京)のサウンドエンジニアが集めたもので、人が入ると30秒間、▽海中のシャチの声(カナダ)▽キラウエア火山の溶岩の音(米国ハワイ島)-など7種類がランダムで流れる。外に出るとモニターに答えが表示されるほか、音に関するクイズも楽しめる。
完成披露会で東北パイオニアの武田雄一郎事業企画部長は「社内だけではこんなアイデアは生まれなかった」と学生に感謝した。流れる音の種類は今後増やしていくという。同館は入場無料で午前10時~午後6時、月曜休館(祝日の場合は翌日)。