東屋沼神社「資料館」改装、福島・飯坂 2年がかりで古文書整理

貴重な資料の数々が解説付きで展示されている資料館

 千年以上の歴史を持つとされ、高い社格でも知られる福島市飯坂町平野の東屋沼(あずまやぬま)神社に併設する資料館が改装された。信達歴史文化研究会が2年がかりで未整理だった古文書などの整理作業を進め、資料の重要性が再確認された。

 東屋沼神社の創建年代は不確かだが、延喜年間(901~923)に編集された延喜式神名帳に記載された「信夫五座」の一つ。五座の筆頭格の「明神大社」。

 所在地は変遷があり、最初は福島市大笹生の木落山にあったとされる。社号も何度か変わり、松に住み着いた大蛇を由来とする七ツ松大明神、弓の稽古をした七つの的にちなむ七的(ななつまつ)大明神、七松大明神、東屋治神社など。東屋治神社は「沼」の崩し文字が「治」に似ていたため間違えたとの説もある。

 文化財巡りで東屋沼神社を訪れた同研究会が資料の重要性に注目、同神社拝殿で定期的に資料整理した。資料館には、神道裁許状など約900点ある文書の一部や社号額、棟札などを展示した。解説文も掲示した。木製の自動おみくじ箱は、外から一銭を入れるとおみくじ一つが出てくる仕掛けになっている。

 26日午前10時から改装に伴うセレモニーを行う。守谷早苗同研究会事務局長が記念講演し、資料館見学も行う。大型連休中、一般に公開展示し、以降は社務所で拝観予約を受け付ける。

 佐々木功宮司は「神社の歴史はその土地の文化とも密接している。古里を知るきっかけにしてほしい」と話している。

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