山林火災「ひと安心」で安堵の表情 宮古、4日目で鎮圧

表情を緩め、民家を守るために放水したホースを片付ける消防団員=23日午後0時22分、宮古市刈屋

 岩手県宮古市刈屋で発生した山林火災は23日、出火から4日目でようやく鎮圧した。広がる炎におびえて過ごした地域住民や、昼夜を問わず奮闘した消防団員は疲労感をにじませつつも、安堵(あんど)の表情を浮かべた。再燃の恐れがない鎮火に向けた警戒は今後も続くが、集落に穏やかな日常が戻ってきそうだ。

 「消防から発表します。11時30分、鎮圧状態であると報告します」。現地指揮本部で協議を終えた岩花一則宮古消防署長が報道陣に告げた。集落一体にもすぐに鎮圧を伝える防災行政無線が響き渡った。消防団員たちは互いに労をねぎらいながら、ホースを片付けて各屯所に帰還した。

 市消防団第35分団の副分団長を務める団体職員川崎賢一さん(54)=同市茂市=は「昼の消火と夜の見守りで睡眠できない日々が続いた。とにかく早く日常を取り戻したい一心だった。完全鎮火までは時間がかかるが、ひとまずよかった」と表情を緩めた。

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