問題視…男女別学の高校“共学化”アンケート前、知事は教委に「重複する」と指摘していた 9508件の回答あり 知事「私の指摘に残念ながらお応えいただけなかったが、県民の声に迅速に対応したことは評価」

高校共学化アンケート、記名式変更後9508件

 埼玉県教育委員会が県内在住、在学の中高生と保護者を対象に行っている県立男女別学高校の「共学化」の是非などを問うウェブアンケートについて、記名式に変更した19日以降9508件の回答があったことが23日、県教委への取材で分かった。

 回答数は23日午前11時現在。内訳は中学生631件、中学生保護者1174件、高校生2248件、高校生保護者5455件となっていて、無記名式で集まった回答総数8157件を上回った。

 無記名式と記名式で回答を分けて集計することから、県教委は無記名ですでに答えた生徒、保護者らの記名での回答も受け付けている。期限は5月17日まで。アンケートは共学化を勧告した県男女共同参画苦情処理委員に提出を求められている報告の参考にするため17日に開始した。当初は受験を控える中学生の心情への配慮や回答のハードルを下げることを目的に無記名式としたが、重複回答や対象者以外の回答を懸念する県民の声が高まったことから募集を一時停止。19日に記名式に変更し、実質的なやり直しとなっていた。

 アンケートの形式を巡っては、大野元裕知事が実施に先立って無記名式であることを問題視していたことも分かった。23日の定例会見で知事は「形式について(県教委から)私に情報提供と相談があった」と経緯を説明し、「これでは重複を避けることができないとコメントした」と明かした。

 県教委が期間途中で形式を変更したことについては「私の指摘には残念ながらお応えいただけなかったが、県民からの声に迅速に対応したことは評価したい」と述べた。

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