【日光】今市の瀧尾神社でこのほど、例大祭が行われ、今市高と今市工業高の男子生徒計32人が烏帽子(えぼし)に白張姿で山車を引き、旧市内を練り歩いた。コロナ禍のためここ数年は山車が出せず、高校生の参加は5年ぶり。高校生たちは汗を流しながら、伝統の担い手としての自覚を芽生えさせた様子だった。
少子高齢化などの影響で祭りの担い手が減少する中、同神社は若者の力でにぎわいを取り戻すとともに、伝統を継承してもらおうと高校生の参加を打診していた。今市高からホッケー部、今市工業高からはホッケー、サッカー、ボランティアの各部員が協力した。
神事に続き、山車は午前10時に出発。各町内の役員ら約180人の列に続いて高校生たちは山車を引いた。全18町の会所を巡る9キロほどを練り歩き、午後4時ごろに境内に戻った。
今市高ホッケー部の山本凌太郎(やまもとりょうたろう)主将(17)は「試合で応援してもらっているので、地域の活動にも積極的に参加していきたい」と思いを新たにした様子。
祭りの当番町・東(あずま)町の頭(かしら)を務めた尾崎哲哉(おざきてつや)さん(47)は「こうした経験をすることで、将来地元に帰ってきてもらえたら」と期待し、田中教文(たなかのりふみ)宮司(51)は「地域の伝統を受け継ぎ、発展させてくれればうれしい」と話していた。