麻婆めしに“フリスビー丼”…牛丼以外も大充実 3大チェーン“安くてうまい”「異色丼」食べ比べ

復活したすき家の『まぐろたたき丼』 ※画像はすき家の公式X『@sukiya_jp』より

𠮷野家、すき家、松屋といえば、言わずと知れた大手牛丼チェーンであるが、実は今、これら3社による、牛丼以外の“異色丼戦争”が過熱しているのをご存じだろうか。

「つい先日も、すき家の期間限定商品だった『まぐろたたき丼』(並盛・税込み600円=以下同)が販売終了からわずか1か月で復活すると、X(旧ツイッター)に“フリスビー丼が帰ってきた!”とのポストがあふれ、一時はトレンド入りするほどの騒ぎになりました」(グルメ誌ライター)

マグロのたたきが円盤状に固められた状態で、ごはんの上に載っているため、“フリスビー”の愛称で親しまれる丼は、手軽に楽しめる海鮮の味わいと見た目のかわいさで大人気に。

「終売から1か月での復活はかなり異例です。それだけ反響が大きかったということでしょうね」(前同)

そこで、大手牛丼3大チェーンが誇る意外な“異色丼”を一斉調査。

まずは、“フリスビー丼”と同じく、すき家の『旨だしとりそぼろ丼』(490円)。元祖B級グルメライターの田沢竜次氏は、その見た目と味とのギャップに驚きの声を上げる。

「一般的にそぼろ丼って、そぼろと炒り卵の2色がきれいに盛り付けられているイメージですが、これは、そぼろの上に生卵が載っているだけの地味な見た目。しかし、これがうまいんです」

そぼろを煮込んだ特製ダシの風味と生卵の調和が絶妙で、付け合わせが紅生姜ではなく、しば漬けというのも、“いいアクセント”と田沢氏は絶賛する。

■「麻婆豆腐を馬鹿にするのか!」と思ったが…

見た目と味のギャップという点では、松屋の『富士山豆腐の本格麻婆めし』(530円)も引けを取らない。

「最初に見たときは“麻婆豆腐を馬鹿にするのか!”と思いましたね」(前出の田沢氏)

ごはんの上に特大の豆腐がドドンと一丁。そこに麻婆ダレをかけただけという、なんとも大ざっぱなビジュアルなのだが、

「デカい豆腐を崩して食べることで、豆腐の存在感を楽しめる。そしてタレは、ヒリヒリとした辛味と山椒のしびれが、まさに本格派の中華なんです」(前同)

対する𠮷野家が展開するのは、『タルタル南蛮から揚げ丼』(655円)と『ヤンニョムから揚げ丼』(655円)。大ぶりでジューシーな唐揚げにタルタルソースやピリ辛ソースがそれぞれ絶妙にマッチした逸品だ。食べ応えのある唐揚げにかぶりつくと肉汁が弾ける。

しかし、唐揚げと聞くとどうしても気になってしまうのがカロリーと塩分。管理栄養士の望月理恵子氏は、異色丼を健康的に楽しむためには、食べ合わせに留意することが大切だと語る。

「他の丼モノもそうなんですが、特に唐揚げは、たんぱく質がしっかり取れるメニューである一方で、カロリーも塩分量も高めです。前後の食事調整をしたり、ごはんは少なめにしたりするのがいいでしょう」

また、塩分(ナトリウム)排出を促し、血糖値の急上昇を防ぐ食材を一緒にとることも大事だという。

「たとえば、ナトリウムを排出する作用のあるカリウムが豊富な生野菜サラダや、コレステロールの吸収を抑制してくれる大豆たんぱく質を含む豚汁や納豆などを、先に食べるのがオススメです」(前同)

牛丼に飽きたら多彩な丼ぶりを食べ比べてみてはいかが。

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