アーセナル移籍目前だったムドリクと、“5日後”に加入したトロサール…… ダービーで明暗が分かれた両者に英メディア注目「冷ややかな歓迎」

写真:チェルシーで苦しむムドリク(左)と、アーセナルで輝くトロサール(右) ©Getty Images

チェルシーに所属するウクライナ代表FWミハイロ・ムドリクと、アーセナルに所属するベルギー代表FWレアンドロ・トロサールの明暗が分かれている。

現地時間4月23日に行われたプレミアリーグ第29節では、アーセナルとチェルシーが対戦した。アーセナルは本拠地『エミレーツ・スタジアム』で爆発的な攻撃力を見せつけ、後半中盤までに大量5ゴールを奪取。守備陣もチェルシーを完璧に抑え込み、注目の“ビッグロンドンダービー”で5-0と大勝を飾っている。なお、日本代表DF冨安健洋は左サイドバックの位置で先発出場し、73分にベンチへと退いている。

この試合、前半開始直後の4分という早い段階でアーセナルに先制点をもたらしたのは、3トップ左の位置で先発したトロサールだった。ペナルティエリア内左でパスを受けたトロサールが角度のないところから左足を振り抜くと、低い弾道のシュートがセルビア代表GKジョルジェ・ペトロヴィッチの牙城を破った。

イギリスメディア『football.london』はトロサールの活躍を高く評価するとともに、チェルシーのムドリクとの対比を強調。“背番号『10』”は『エミレーツ・スタジアム』に駆けつけたアーセナルサポーターから終始ブーイングを浴びせられ、良いところなく67分に途中交代していた。

『football.london』は「移籍騒動以降、ムドリクはアーセナルのサポーターから冷ややかな歓迎を受けた」と報道。ムドリクのインスイングのクロスが味方に合わなかった際、スタジアムから歓声が上がったことも伝えた。

現在23歳のムドリクは、シャフタール・ドネツク在籍時にビッグクラブからの注目を集め、なかでもアーセナルへの移籍が有力視されていた。しかし、合意直前と思われた2023年1月、チェルシーがアーセナルを上回るオファーをシャフタールに提示し、一気に“ハイジャック”に成功。アーセナルは土壇場でムドリクを取り逃した。そして、ムドリクのチェルシー加入発表から5日後、アーセナルはブライトンからトロサールを獲得することとなった。

その後、ムドリクはチェルシーで背番号『10』を与えられるも、大きな期待に見合うだけの活躍ができていない。今季は、プレミアリーグで26試合に出場して4ゴール2アシスト。公式戦全体でも36試合の出場で6ゴール2アシストにとどまっている。一方、トロサールはプレミアリーグで30試合に出場して10ゴール1アシスト。公式戦全体では42試合に出場して15ゴール2アシストと、着実に成果を挙げている。

土壇場でアーセナル加入を蹴ったムドリクと、“5日後”にアーセナルへとやって来たトロサール――。両者の明暗は“ビッグロンドンダービー”でくっきり分かれることになった。

© 株式会社SPOTV JAPAN