なぜ?寂しい桜満開 早掛沼公園(青森・むつ市) 野鳥「ウソ」に花芽食べられたか

23日午後の早掛沼公園(写真上)。ほぼ同じ場所で、満開宣言から4日後に撮影した昨年(写真下)と比べ、花は圧倒的に少ない

 下北半島各地で桜が見ごろを迎えているが、「むつ桜まつり」会場の一つ、青森県むつ市の早掛沼公園は花が極めて少ない、寂しい満開となっている。公園を管理する市は、今冬、桜の花芽を食べる野鳥「ウソ」を多数確認しており、この影響が大きいとみている。

 市都市計画課によると、早掛沼公園にある約370本のソメイヨシノは19日に開花し、22日に満開となった。ただ咲いている花はわずかで、23日、数年ぶりに訪れたという市内の女性は「満開の桜を期待して来たのに…木が古くなって花が少なくなってしまったのかと思った」と驚いた様子。前日は弘前公園の桜を見たという三沢市の夫婦も「残念ですね」と話した。

 同課は昨年11月27日から今年3月10日までの間に1423羽のウソの飛来を確認。2014年度以降で最も多く、1日40羽を確認した日もあったという。

 以前からロケット花火や空砲などでウソを追い払ってきたが、今年のように花が少なかった2017年度からは「桜満開プロジェクト」と名付け、センサーで感知すると音と光が出る機械を設置したほか、多くの花芽を付けるよう継続的に肥料を与えてきた。

 ただ、こうしたウソ対策が「効かなくなっている」(山本知也市長)として、市は新たな対策の検討に着手する。23日までの取材に対し、山本市長は「同じ事を続けていると課題は当然出てくる。桜が満開になるようなプロジェクトを考えたい」と述べた。

 国道279号沿いの約8キロにわたる「来(か)さまい大畑桜ロード」や、むつ運動公園といった市内の桜スポットも今年は花が少ない。もう一つのまつり会場、水源池公園は例年並みに咲いている。

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