【続報】福島第一原発の処理水放出再開 停電で一時停止 掘削作業でケーブル損傷か、作業員けが IAEA調査日に 東京電力福島第一原発

東京電力福島第一原発で、24日午前、停電により停止していた処理水の放出は、午後5時すぎに再開しました。停電は、掘削作業で電源ケーブルを傷つけたことが原因とみられ、作業員1人がやけどを負いました。

東京電力によりますと、24日午前10時43分ごろ、福島第一原発で停電が発生しました。このため、4月19日から行われている5回目の処理水の海洋放出が停止しました。停電は、処理水の放出設備のほか、一時、廃炉の指揮をとる免震重要棟にも及びました。

また、消防などによりますと、原発構内では午前10時47分ごろ、免震重要棟の近くで掘削作業をしていた50代の男性作業員が右腕と顔に軽いやけどを負い、救急車で病院に運ばれました。搬送時は意識があり、会話が可能で、命に別状はないということです。

東京電力によりますと、作業員が掘削をしていた現場は電源ケーブルの近くにあり、掘削作業でケーブルを傷つけたとみられるということです。掘削作業は免震重要棟の近くで4人で行われていて、コンクリートの下に6900ボルトという通常の電線並みの電源ケーブルがありました。
警察ではコンクリート面を削る作業をしていて地中の電源ケーブルに接触したとみて、作業の安全管理などについて調べています。

東京電力はその後、復旧作業や安全確認を行い、午後5時16分に処理水の放出を再開しました。

相次ぐトラブル 福島県は安全管理徹底求める

24日は、IAEA・国際原子力機関の調査団が福島第一原発に入り、処理水放出の作業や設備に問題がないか確認が進められました。

また、午後、福島県庁では予定されていた「廃炉安全監視協議会」が開かれ、東京電力は冒頭トラブルについて説明しました。

福島第一廃炉推進カンパニー・小野明代表「電源A系ケーブルの近傍での掘削であると考えると、掘削によってケーブルを傷つけたということもあると考えている」

福島第一原発では昨年度、処理水を4回に分けて、3万トンあまりを放出しました。今年度は、今年10月までに6回、来年3月に1回の合わせて7回にわたって、5万4600トンを放出する計画となっています。

第一原発では去年10月に作業員が汚染水を浴び、今年2月には排気口から汚染水が漏れるなど、人為的なミスによるトラブルが相次いでいて、今回の停電も人為的なミスの可能性が高いとみられています。

度重なるトラブルに、福島県は引き続き安全管理を徹底した廃炉作業を求めることにしています。

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