能登半島地震で海岸線が後退 困難を乗り越え珠洲塩田村が再開

海水をくみ上げて塩を作る伝統製法を受け継ぐ石川県珠洲市の揚げ浜式塩田で、仕事はじめとなる「塩浜祝(しおはまいわい)」が行われました。

珠洲市の道の駅すず塩田村は、地震の影響で敷地の至る所に亀裂が入り、塩田も傾くなどの被害を受けました。

隆起により海岸線が50メートルほど後退したため、当初は海水をくみ上げることもできませんでしたが、配管を延長するなどして塩づくりの再開にこぎつけました。

24日行われた塩田開きの神事「塩浜祝」では、地元の神職や塩田村関係者13人が作業の安全と豊作を願いました。

地震の影響で道路の通行止めや断水が続く中での塩づくり再開に、伝統の技を守る強い思いが感じられます。

道の駅すず塩田村・神谷健司駅長「職人さんから塩づくりを再開しようと言ってくれたのが一番うれしかった」
浜士・浦清次郎さん「これで終わらせたくないなと思ったので。みんなして頑張っていこうという気持ち」

塩田村の売店は再開のめどが立っておらず、4月中にもインターネットを通じたクラウドファンディングを立ち上げ、支援を募るということです。

ことしは6トンの生産を見込んでいて、塩づくりは10月中頃まで続きます。

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