米CNN選出「世界6大猫スポット」の島「とことん戯れられる」3スポット「現地レポ」

陽光に温められたマンホールの上で伸びをする猫(写真:原田怜果)

博多駅から電車、バス、船を乗り継ぎ約1時間20分。福岡県の玄界灘に数百匹の猫たちが住む、相島(あいのしま)がある。海釣りスポットとして釣り人に人気の同島は、2013年アメリカのCNNが「世界6大猫スポット」として取り上げるなど、“猫の島”としても有名だ。

本記事では、実際に相島をめぐって感じた、島の魅力を紹介していく。

■3月からは渡船が増便! さらに行きやすくなる相島

相島へ渡る町営渡船「しんぐう」は3月1日より、1日の運航本数が5便から6便へ増え、さらに行きやすくなった。相島でランチを楽しみ散策するなら、11:30発 新宮漁港発の船に乗るのがおすすめ。運賃は、大人片道480円(小児 片道240円)となっている。

■相島へのアクセス

福岡市地下鉄・天神駅からは乗り換えが多く複雑なため、JR博多駅から向かうのがわかりやすい。

●ルート1:博多駅出発

JR博多駅より鹿児島本線 小倉・門司・門司港・下関方面に乗車、JR福工大前駅で下車
→JR福工大前駅よりコミュニティバスに乗車し、渡船「しんぐう」へ
→町営渡船しんぐうにて相島へ

※コミュニティバス運行時刻・町営渡船しんぐう運行時刻は時期によって異なる。出発前に必ず、新宮町のサイトにて確認すること。

●ルート2:天神駅出発

福岡市地下鉄・天神駅より貝塚行きに乗車、福岡市地下鉄・貝塚駅で下車
※貝塚行きがない場合は、福岡市地下鉄・中洲川端駅にて箱崎線貝塚行きに乗り換える
→貝塚駅にて西鉄貝塚線に乗車、西鉄新宮駅に下車
→西鉄新宮駅よりコミュニティバスに乗車し、渡船「しんぐう」へ
→町営渡船しんぐうにて相島へ

※コミュニティバス運行時刻は時期によって異なる。出発前に必ず、新宮町のサイトにて確認すること。

■猫に出会える「おすすめスポット」3選

新宮町観光パンフレット『相島』の地図部分を拡大

●おすすめスポットNo.1:相島漁協周辺

海鳥が飛び交うのどかな風景。釣りを楽しむ人の姿も

島の中で最も猫に出会えるスポット、第1位は相島漁協周辺だ。渡船場から相島小学校の方面へなんとなくぶらぶら歩いていると、わらわらと猫たちが集まってくる。

漁協周辺では島民の方たちが定期的にエサやりを行っているようで、人がくるとエサをもらえると思って猫たちが集まってくる。偶然にもエサやりの時間に遭遇した。ご飯に群がる猫の渋滞もまた、大変愛らしい。

●おすすめスポットNo.2:島の駅 あいのしま・相島渡船待合所周辺

島の駅 あいのしま内、丸山食堂

猫に出会えるスポット、第2位は島の駅 あいのしま・相島渡船待合所周辺。この辺りも漁協周辺と同様に猫たちで溢れている。渡船場からほど近く最も観光客が多いため、人の気配を感じて猫たちも集まってくるようだ。

まだ生まれて数か月と思われる子猫がいた。右耳には去勢・不妊手術のしるしであるサクラマークがあり、こんなに小さな子猫もきちんと島の方によって管理されていることがわかる。

●おすすめスポットNo.3:先波止~龍王石周辺

海の男の信仰を集める龍王石

No.1やNo.2のスポットと比較すると、先波止から龍王石の辺りは猫が少ないのだが、漁協周辺や待合所周辺と比べると観光客も少なく、猫を独り占めできる可能性が高いのだ。

ここで出会った猫は、最終的には筆者の右足を下敷きに、「くぅ~、くぅ~」と小さな寝息を立てながら、気持ちよさそうに眠ってしまった。

■【相島観光ガイド】おすすめのモデルコースを紹介

●癒しの2時間コース

猫に癒されるのが目的なら、島の南側をぶらりと散歩する2時間コースがおすすめ。ひとしきり猫に遊んでもらったら、島の名物である新鮮な魚も楽しんでほしい。島内には食事処が3か所あり、島の駅 あいのしま内には、コーヒーを飲んでくつろげる休憩所もある。

新鮮なお魚がメイン。ボリューム満点の刺身定食が人気
具だくさん!  魚介の出汁がしっかりきいた海鮮ちゃんぽん

●島巡り5時間コース

猫と戯れつつ、島を1周する場合は5時間程度見ておくと安心。ところどころに観光名所やビューポイントがあり、ハイキングを楽しめる。1周は約5.4km、歩くのが速い人なら2時間もかからないが、各スポットをじっくりと見て回りたいなら2~3時間は見ておくといい。

ただし、道は起伏に富んでおり、場所によっては足場の悪いところもある。島をめぐる場合は、必ず歩きやすい靴で向かおう。

なお、トイレは相島渡船待合所付近に2か所のみ。島巡りへ出発する前に済ませておくのがベターだ。

相島積石塚群の中で最大規模の1基

島にはいくつか観光スポットがあるが、「相島積石塚群」にはぜひとも足を運んでほしい。積み石のみでつくられた254基もの古墳が、海岸沿いにびっしりと並んでいる。視界いっぱいに広がる石の道には、歴史や古墳に興味がない人でも圧倒されるはずだ。

振り返ると、積み石でつくられた道が永遠と先まで続いていた

島めぐりには、レンタサイクルを活用するのも一手。一般社団法人新宮町おもてなし協会のサイト上では休止中となっているが、相島観光案内所に確認したところ、2024年2月24日現在では再開されていた。日によって早く営業が終わることもあるそうなので、利用したい場合は観光案内所で確認してみよう。

■天気のよい休日は、大自然と猫に癒される旅に出かけよう

ぽかぽかと暖かい日が増える3月・4月は、ハイキングにもってこいの季節だ。相島へ渡る船は3月1日より5便から6便に増え、さらに行き来しやすくなっている。

博多駅から相島までは、乗船時間を含めても1時間20分。天気のよい休日は少し足を延ばし、癒しの旅に出かけてみてはいかがだろうか。

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