日本と戦うカタールよりは「負担小」 U-23韓国、グループ首位突破が“最上のシナリオ”と言えるワケ

“大岩ジャパン”を破り、最上のシナリオでグループステージを終えたU-23韓国代表が決勝トーナメントに突入する。

ファン・ソンホン監督率いるU-23韓国代表は4月22日(日本時間)、カタール・ドーハのジャシム・ビン・ハマド・スタジアムで行われたU-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選)グループB第3節で1-0と勝利した。

指揮官の選択が的中した試合だった。「宿命のライバル対決」とも呼ばれる“日韓戦”だが、ファン・ソンホン監督はあくまで冷静に、大会全体を見通して準備した。

2試合3得点のエースFWイ・ヨンジュン(20、金泉尚武)、サイドで起点となるMFオム・チソン(21、光州FC)、中盤の主軸を担うMFカン・サンユン(20、水原FC)など、主力選手のほとんどが控えに回った。序盤2試合で守護神を担ったGKキム・ジョンフン(23、全北現代モータース)も先発を外れた。

無理にベストメンバーを起用するよりも、決勝トーナメントを見据えて「メンバー全員で戦う」という構想を明らかにした。

実際、日本戦では第2節までプレータイムが少なかったMFチョン・サンビン(22、ミネソタ・ユナイテッド)、MFホン・シフ(23、仁川ユナイテッド)、MFホン・ユンサン(22、浦項スティーラーズ)などが先発起用された。

また、キャプテンのDFピョン・ジュンス(22、光州FC)が出場停止、DFソ・ミョングァン(21、富川FC 1995)がハムストリング肉離れにより欠場した影響で、フォーメーションも4バックではなく3-4-3に切り替えて安定感をもたらした。

インドネシアは「カタールより負担小」

いわゆる“非主力”の選手が多くプレーしたわけだが、蓋を開けてみると第2節の中国戦よりもパフォーマンスが良かった。

日本はゴールに迫る決定的な場面を簡単に作ることができなかった。韓国は中盤の争いでも大きくリードされることはなく、後半30分にMFキム・ミヌ(22、デュッセルドルフⅡ)の先制点が生まれるまでは支配率も僅差だった。

(写真提供=韓国サッカー協会)

そうして、試合内容はもちろん、最も重要な結果まで得ることができた。

選手全体の体力配分ができた点もポジティブ要素だ。

韓国の目標は10大会連続五輪出場であって、目先の“日韓戦”勝利ではない。

昨年の杭州アジア大会金メダル獲得で得たトーナメントのノウハウが光った。ファン・ソンホン監督の“妙手”が、最上のシナリオを作り上げたわけだ。

グループ3戦全勝を収めた韓国は、B組1位で準々決勝に進出した。そして、懸念していたA組1位のカタールではなく、A組2位のインドネシアと準決勝進出をめぐり激突することになった。

開催国カタールは今大会、多くの“アドバンテージ”を受けている。特に判定問題では相手国のひんしゅくを買っているほどだ。

実際、インドネシアのシン・テヨン監督はカタールとグループ第1節で対戦後、露骨に不満を表していた。

韓国としてもカタールは負担となる相手なだけに、首位で決勝トーナメントに進めたことは大きい。

もちろん、インドネシアも簡単な相手ではない。グループステージではオーストラリアとヨルダンを下し、ベスト8進出を果たす異変を起こした。

シン・テヨン監督の指導によって帰化選手たちの技量が花開き、東南アジアの新たな強豪として急浮上している。ただ、カタールと比較した場合には負担が少ないのは明らかだ。

(写真提供=韓国サッカー協会)

第3節でターンオーバーしつつ勝利できたことで、ファン・ソンホン監督は比較的余裕を持ってインドネシア戦を準備できる。

パフォーマンスが良かった3バックを維持することもできれば、より多様な前線、中盤、守備の組み合わせができる。

イ・ヨンジュンを再び先発起用し、高さを強化する作戦に出る可能性もある。累積警告による出場停止を終えたピョン・ジュンスが復帰するだけに、最終ラインの安定感も強化できる。

韓国対インドネシアの準々決勝は来る26日2時30分(日本時間)より、アブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアムで行われる。

準々決勝を突破できればベスト4入りを果たし、五輪本大会出場により大きく近づくことになる。今大会上位3カ国はパリ五輪本大会にストレートインし、4位国はギニアとの大陸間プレーオフに進む。

決勝進出の権利を獲得する。そうすれば、U-23韓国代表の最初の目標は達成だ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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